NHK 風力発電 25か所で苦情続く

10基以上ある施設(58か所)では45%で苦情


風力発電施設の周辺に住む住民から、施設から出る音についての苦情が寄せられていることから、環境省が施設のある都道府県や事業者を調査したところ、静岡県や愛媛県など11の県の25か所の施設で苦情が続いていたことがわかり、環境省は、今後詳しい実態調査を行うことになりました。

風力発電をめぐっては、愛知県田原市や静岡県東伊豆町などで、周辺に住む住民から頭痛や不眠など体調不良を訴える声が相次ぎ、回転する風車から出る騒音や、通常の音より聞き取りにくい「低周波音」の影響ではないかという指摘が出ています。このため環境省は、全国389か所の風力発電の施設について、施設のある都道府県や事業者を対象にアンケート調査を行いました。その結果、施設を稼働してから一度でも苦情があったのは64か所で、このうち、ことし4月1日現在で苦情が続いていたのは、静岡県で5か所、愛知県と鳥取県、山口県、愛媛県で3か所などあわせて11の県の25か所に上ることがわかりました。苦情のほとんどは、施設からの距離が1キロ未満に住む住民から寄せられているということです。このため環境省は、今後、事業者などの協力が得られる施設の周辺で、どのような音が出ているかや、住民に健康被害があるのかなど実態調査を行うことにしています。



何を思ってか風車問題の当初の頃は全く報道しなかったNHKが、このところ新聞や民放は一切しないエコキュートや風車に関した低周波音に関した報道をする。

単純に下世話に言う広告主関係の電力業界や家電業界から圧力をかけにくいなどということではなかろうが、その気になれば政治家す筋からならNHKは圧力はかけ易いはず。ヒョッとすると風車業界からの献金バクバクの大物政治家がいないのだろうか。ウン億、ウン十億円単位の交付金があるのだから、”口利き料”がいただけるとすれば、数百万、数千万単位のはずで、国会レベルの誰かが絶体居るはずなんだがなー。でなければ、業界関係者でも、どこかおかしいと思うような魑魅魍魎の交付金配布はしないと思うのだが。


今回のNHK報道のオチは「環境省は、今後、事業者などの協力が得られる施設の周辺で、どのような音が出ているかや、住民に健康被害があるのかなど実態調査を行うことにしています。」と言うところであろう。

と言うのは、民間事業者は「引続き『低周波音の人への影響評価に関する研究』に協力します。」と言っていたが、どうなのだろう?と思っていると、

10/8の日経では、環境省、風力発電の実態調査 16%で周辺住民から苦情や要望書として、

 環境省は7日、風力発電の騒音や低周波音に関する実態調査を発表した。回答があった389カ所の施設のうち、住民からの苦情や要望書提出があったのは全体の16%にあたる64カ所。なかでも25カ所は苦情などが依然続いていることが分かった。風力発電の騒音や低周波音の実態を調べたことがある事業者は全体の38%と、事業者の意識の低さも明らかになった

 風力発電施設は、低周波音などが体調不良を招くとの指摘も出ていた。調査では、施設から300メートル以上400メートル未満の範囲に暮らす住民の苦情が最も多かった。風力発電の施設が大きいと、それだけ苦情も増えた。

 環境省は今年度から千葉工業大学と東京大学に委託し、風力発電から出る低周波音の人への影響に関する研究を始める。それに先立ち騒音や低周波音の苦情の実態を把握するため、全国調査を実施した。


この記事のミソは「風力発電の騒音や低周波音の実態を調べたことがある事業者は全体の38%と、事業者の意識の低さも明らかになった。」という所なのだろう。

事業者の62%は実際に何ら問題がないのかも知れないし、ヒョッとしたらエコキュート騒音問題で電力会社が”被害情報は全然聞いていない”と同じように、苦情を苦情と聞いていないのかもしれない。

だが、風車を、しかもある程度大規模なサイトを造れば、騒音や低周波音問題は多かれ少なかれ生じる可能性は大なはずで、しかもその影響は、平地なら大方の予測も理論値通りに付くのだろうが、山頂に設けられた風車サイトからの谷間での影響は予想が難しいと言われており、事業者も”実際にサイトを建設して稼働して見ないことには解らない”と言っていると聞く。

しかし、実際は当然のことながら山間は過疎地が多く、実際に被害に遭っている人も極めて限られており、その声が表に出てくることは極めて少ない。和歌山の「海南市から有田川町の長峰山脈に10基ある風力発電施設」例などはその典型である。

この記事の中でも「県はこれまでに4、7月の2回、20ヘルツ以下の超低周波を測定できる機器で調査したものの、国の参照値を上回る騒音は出ていなかった。環境管理課では「最も風の強い11月ごろに第3回目の測定を行う」と答弁。」などと、戯けた事を言っているらしい。そもそも環境省は”「参照値」は風車騒音に使ってはダメ”と言っているのに行政はバカの一つ覚えのようにこれを繰り返す。

いくら風の強いときに測定しても「参照値」を上廻るような数値は出てこないはずだ。もし仮に出たとしても、現在その低周波音は「低周波音の測定において問題となるのが、風による雑音の影響である。風により発生した乱れをマイクロホンの振動面が受けると、音圧を検知したのと同様な出力が発生する。」と言うことで、それは間違いなく”風による雑音の影響”とされてしまう可能性が極めて高い。

こうしたことを十分に知っているはずの”県の専門家"は何をとぼけたことを言っているのだろう。こうしたことは、あくまでも”苦情者”に対し、そして、マスコミ、議員先生方に対する単なるまやかしにしか過ぎない。そろそろ行政もマスコミもここらを卒業してほしいモノである。

しかし、こうした状況にならない限り、県は騒音調査さえしないのだから良しとしたいところであるが、待てよ、本来ならばこうした調査は設置事業者が事前に予測すべきはずべきではないのか。だが低周波音の影響というのは”予測困難”と言うことになっており、それは出来ないのなら、最低限苦情があれば、インチキでも良い、風力発電施設設置者がその”苦情”に基づいて、直ちに低周波音調査測定すべきはずの事ではないか。それがお構いなしで、直ちに行政が調査するとは事業者を甘やかせ放題にするにも程がある。これでは業者は、全く無責任、ヤリ得ということで、かつての産廃業者と同じではないか。
読売は、風力発電の騒音・低周波音、64か所で苦情

 環境省は7日、全国の風力発電施設の騒音、低周波音の苦情に関するアンケート結果を発表した。全国389か所の風力発電施設のうち、約16%にあたる64か所で苦情があり、設置基数が多い施設は苦情が出る割合も高いこともわかった。

 アンケートは今年4月1日現在稼働中で、総出力20キロ・ワット以上の施設が対象。389施設がある40都道府県と設置主体の186事業者から回答を得た。苦情があった64か所のうち、調査時点で問題が解決されていないのは25か所。この25か所を、施設と住居との距離で分類すると、「300メートル以上400メートル未満」が8か所で最も多かった。

 風車が10基以上ある施設(58か所)では45%で苦情があった。定格出力が1000キロ・ワット以上の施設(188か所)では、約28%の53施設で苦情があった。

2010年10月8日01時58分  読売新聞)

「風車が10基以上ある施設(58か所)では45%で苦情があった。」と言うことであるから、いわゆるファーム等と言うところでは、近くに人間がいれば、丁半勝負レベルの半々で騒音被害があると言うことだ。如何に風力発電の"専門家"が、「地元の理解が…」等と言ったところで、こんな状況で、風力発電施設建設に理解を示し、賛成する人や支援する人たちは、自分が”苦情者”の立場になることを想像する能力が全くない人種なのであろう。

 今回の調査に日本風力開発が協力しているかどうかどうか解らないが、業界第三位であるのだから、民間事業者は「引続き『低周波音の人への影響評価に関する研究』に協力します。」と言っているのだから、協力していないわけは無いはずなのだが、因みに銭函風力開発株式会社(東京・松島聡社長)は、「銭函風力発電 小樽で初の住民説明会 (2010/10/05)で「風車の超低周波音は影響ない」「反対される方が、低周波の影響を訴えているが、我々は全国に風車を設置しているが、問題は起きていない。」としている。松島氏は銭函の社長なのだろうが、「我々は全国に風車を設置している」としているのだから「問題は起きていない」とするのは日本風力開発の立場としての話なのだろう。日本風力開発の風車による問題はどこかになかったでしょうか?

 もちろん問題認識の問題で、「現在起こっている苦情者の苦情は問題ではない。さらにそれは低周波音の影響ではない」と認識すれば、いかなる強弁でも通ることにはなるのであろうが。

101011,101008


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100411 風力発電施設から発生する騒音・低周波音の調査結果(平成21年度)について