3月1日N川が解禁になりました。
ところがこの時期いろいろと忙しくなかなか時間がとれません。
8日になってやっと予定が切れました。早速車に道具を詰め込み、近くの釣り道具屋に寄ってミミズを仕入れ、N川へ走りました。
まだ寒さの残るこのころは早朝よりも日の登ってからの方が水温が上がり魚の活性がよくなります。
釣り道具屋を出たときはすでに8時を回っていました。この時間になると通勤ラッシュも解消され、車の少なくなった道は、ところどころに現れる信号をうまく調節すればほとんど止まることなく走ることができます。
N川は岐阜県です。豊田からは市街地を抜けて北へ向かいます。ほとんど山の中を走るのですが道はきれいに舗装され快適に車を飛ばすことができます。山はまだ眠りにありますが、それでも農家のところどころに黄色い花を見かけることができるようになりました。
山岡町に入ると、広い畑のあちこちに真っ白い糸のようなものが干してあるのを見かけます。山岡町特産の寒天です。山岡町で本日の昼食を購入しました。最近定番になている太巻きとお稲荷さんがセットになっている、あげまき=助六です。お茶は家から持って来ています。餌も仕入れてあります。あとは釣り場へ一直線です。
N川は今年も山の登り口から車の侵入は禁止になっていました。入口には厳重な扉が付いています。車を近くの広場へ駐車し山登りの用意を整えました。
道はいきなり急な登りになります。気持は焦るのですが足が前に進みません。一歩一歩かみしめるようにして登ります。
少し山道になれて周りを見る余裕が出てきました。花はまだ見られませんが、シダや枯れたアジサイの間から雑草の小さな芽が出始めていました。この芽からはどんな草花が出てくるのだろうか。こんなことを考えながら歩いていると山道もそれほど苦にはならなくなります。
40分ほどでやっと目的の釣り場に到着しました。
10時30分釣支度完了です。
第1投は目の前にある大きな淵の、淵上の瀬脇に入れ淵に流し込みました。流れが淵に落ち込むあたりで早速ツンという当たりがありました。しかし、魚は針に掛かりませんでした。淵に魚がいることは確かです。2投目は流れが淵に巻き込む頭に投入しました。餌が淵に巻き込まれ仕掛けが大きく回り始めたところで目印が勢いよく水中に引き込まれました。すかさず竿をしゃくると大きな手ごたえです。糸が上流へ走り始めました。かなりの大きさのようです。糸は瀬の小さな落ち込みに来たところで止まりました。そっと竿を手元に引いてみると思ったより抵抗がありません。頭を水面にあげたときには少し暴れましたが、魚体に比して手ごたえは小さくすんなりと手元に寄ってきました。タモですくい取ると28cmのイワナでした。まだ水温が低いためでしょうか5月ごろと比べると魚の抵抗は弱く、体もやせているように思いました。
この大きな淵ならまだ魚がいるのでは、そう考え再び淵頭に仕掛けを沈めました。すると淵を大きく回り込んで淵の中心に近づいたところで当たりがありました。すかさず竿をしゃくりましたが魚は掛りませんでした。針を調べると餌がなくなっています。まだ魚がいるようです。早速餌をつけ淵頭に仕掛けを入れました。仕掛けが中心に近づいたところで目印が流れに逆らうように動いています。様子を見ながら竿を少し上げてみました。すると突然竿を引きずり込みました。大きく合わせるとやはり魚は瀬に走りました。ところがこの魚もそのあとあまり抵抗せずに手元に来てしまいました。半分抜きあげるようにしてたもに納めると、20cm強のアマゴでした。この淵ではもう1匹イワナをあげました。サイズが小さくなってきたのでこの淵を離れることにしました。
時計を見ると11時を回っています。少し早いが昼食タイムにすることにしました。
今日はすでに獲物を手にしているので心に余裕があります。いつもよりゆっくりと、周りの景色を眺めながら助六を味わいました。
1時間ほどして第2回戦に出発しました。
3月の渓では魚はまだ瀬に出ていないだろうと思いつつ遊び半分で瀬に仕掛けを入れました。やはり当たりは出ません。10m程登ったところの瀬でやっと小さな当たりが出ました。しかし空振りです。再度流してみるとまた当たりがありこんどは餌が無くなっていました。
期待が出てきました。慎重に目印の変化に気を配りながら流していくと目印がツンと止まりました。反射的に竿をしゃくると竿が重くなっています。そっとあげてみると上がってきたのは放流サイズをちょっとだけ上回るアマゴでした。放流するつもりで慎重に針を外そうとしたがえらの奥に掛っているためなかなか外れません。結局ハリス切れで針が入ったままになったので持って帰ることにしました。
大淵から300m程登ったところに左から下りてきた流れが岩壁にあたって大きく曲がり水深のある淵を作っている処があります。ここも実績のある場所です。
1投目は淵を狙って仕掛けを入れました。2投目の投入で竿が大きく曲がりました。合わせるとこれも25cm強のイワナでした。この淵ではアマゴも釣ることができました。
いよいよ流れ込みの本命釣り場です。岩壁にあたった流れは一方はすぐにイワナの釣れた深淵に落ち込みゆっくりと下って瀬に出ます。もう一方は左に進み、岩壁に沿って大きな渦を作って流れます。ここは水深もあり、底にあるえぐれた岩が大イワナの隠れ家になっているようです。難点は上方に木がかぶさるように枝を伸ばしているので釣り辛い場所であることです。
上に出ている枝を避けるようにして流れ込みに仕掛けを入れました。1回目2回目は右に流れ出て淵の方に行ってしまいました。3投目にやっと左側の流れに仕掛けが入りました。岩にぶつかりしばらく岩にもまれていた仕掛けが岩を離れ渦に掛かりかけたと思ったその途端、目印が大きく水中に引き込まれました。竿を操作するいとももなく、次の瞬間には仕掛けは右側の淵の尻まで走っていました。やっと動きが止まったのでようやくにして竿を立てると、こんどは上流に向かって力強く走り出しました。淵上の流れ込みまで来たところでとうとう力が尽きたのか、竿を引くとゆっくりと流れに乗って手元に寄ってきました。慎重に淵尻の流れの弱まったところへ魚を誘導して慎重にタモに掬い取りました。獲物は久しぶりの30cmを超すイワナでした。
魚篭に入れると魚篭の中で暴れまわっていました。この感触も実は獲物を手にした時の充実した大きな喜びでもあります。
これだけ暴れまわった淵ではもう魚は掛りません。さらに上流に進むことにしました。この上にはしばらく大きな淵はありません。ここから川は登りになり、いくつもの大岩が流れを阻んでいます。いくつかの大岩のよどみを狙って仕掛けを入れてみました。いくつかの大岩に挑戦しましたが釣れたのは放流サイズをちょっと超すアマゴが一匹釣れただけでした。
時計を見るとすでに2時を回っていました。この釣果なら夕食のお膳に載せるに十分です。ここで竿を納めることにしました。
荷物まで戻っていつものように魚の腹を出す準備にかかりました。水辺の平らな石を見つけてまな板にします。ちょうど手頃な石をを見つけたので魚篭の魚を取り出しました。ところがあの大イワナの姿がないのです。何度も周りを調べましたが見つかりません。そういえば途中で魚篭のとバンド通しの輪が1つ切れてしまったことを思い出しました。魚篭を調べてみると、この状態では魚篭の蓋と籠の間に隙間ができます。暴れていた魚がこの隙間から抜け出てしまったようです。
悔しいけれども仕方がありません。次回きっとまたお前に挑戦するから待ってろよ。ほとんど不可能なむなしい言葉で自分を慰めるしかありませんでした。
それでも、初釣りにしてはまずまずの釣果があり、思ったより疲れを感じないで山を降りることができました。
後記 イワナはもちろん塩焼きで美味しく頂きました。
小さいアマゴは頭から開いて半日塩水につけた後、冷蔵庫に1日置いて
から塩焼きにしたら頭からしっぽまでおいしく頂くことができました。
これは大発見でした。