日本植物分類学会第9回大会(愛知大会)

公開シンポジウム

「生物多様性保全における拠点機関の役割−COP10に向けて


〔公開シンポジウム〕(共催:日本動物分類学会,愛知県,名古屋市)
 3 月28 日午後13 時30 分〜 16 時30 分 名古屋市科学館生命館サイエンスホール

 公開シンポジウムは,2010 年10 月に名古屋で開催される生物多様性条約第10 回締約国会議(COP10)に向けて,当初動物分類学会と共催で生物多様性研究の重要性を訴える内容のものにしようと考えていましたが,最近になって愛知県も名古屋市も自然史博物館/生物多様性センターの必要性に気づいてきたようですので(実は,愛知県/名古屋市はこのような機関がほとんどない,生物多様性研究最「後進」地域です),更に愛知県と名古屋市を共催に加えて,「生物多様性保全における拠点機関の役割− COP10 に向けて」というテーマで開催することにします。講演者と演題については現在調整中です。併催のポスター展示については,ポスターの項をご覧ください。 
 当初予定していた生物多様性研究の重要性については,名古屋市で9 月に開催される日本植物学会大会の際にとりあげる方向で検討されています。


下記シンポジウム詳細     PDF版はここをクリック 

日本植物分類学会第9回大会公開シンポジウム

「生物多様性保全における拠点機関の役割−COP10に向けて」

コーディネーター:芹沢俊介(愛知教育大学)

共催:名古屋市

日時:平成22328日(日)13:3016:30

会場:名古屋市中区伏見白川公園内 名古屋市科学館サイエンスホール(生命館地下)

対象:どなたでも参加できます。地域生物多様性の調査や保全に興味のある市民の方々、植物関係の大学学部に進学希望の中学・高校生、植物や環境保全について学んでいる大学生など歓迎。ただし会場が有料施設なので、日本植物分類学会会員以外の参加希望者は事前に名古屋市環境部生物多様性企画室052-972-2696に申し込んでください。

参加費:無料

プログラム

13:30 趣旨説明

13:35 東海地方の豊かな生物多様性と名古屋市の取り組み  愛知学泉大学 矢部 隆

東海地方の動植物相の特徴と、それを保全するため今秋のCOP10に向けて名古屋市が現在何をしているかを説明します。

14:05 市民の調査活動拠点としての自然史博物館−神奈川県植物誌調査会の活動から

                    神奈川県立生命の星・地球博物館 勝山輝男

  生物多様性保全のためには、何よりもまず、その地域の生物多様性を明らかにする必要があります。先進的な事例として、多くの市民が協力して地域フロラ研究を行っている神奈川県植物誌調査会と、それを支える神奈川県立生命の星・地球博物館を中心とした博物館グループの活動を紹介していただきます。

14:35 タンポポ調査・西日本と博物館ネットワーク     徳島県立博物館 小川 誠

代表的な市民参加型環境調査であるタンポポ調査は、1975年に大阪府で始まりました。大阪府ではその後も5年間隔で調査が続けられてきましたが、この伝統を基礎に、今春多くの博物館が連携して、タンポポに関する総合的な広域調査「タンポポ調査・西日本2010」が行われます。その全体像と意義を紹介していただきます。

           −休憩(5分)−

15:10 地域生物多様性の研究と生物多様性保全       愛知教育大学 芹沢俊介

  個々の事例で見れば、名古屋圏の生物多様性研究はそれほど遅れているわけではありません。しかし全体としてみると、市民の間での広がりが少なく、情報集積も進んでいないのが現状です。情報とその裏付けとなる資料の集積がないとどう困るか。最近の名古屋圏での事例をもとに説明します。

15:25 市民が望む生物多様性センター(仮題)    ため池の自然研究会 大沼淳一

地域生物多様性の解明に向けて市民は何をするつもりか、そのために何が必要かを話していただきます。

15:40 総合討論

 

会場では、学会で発表される講演のうち、シンポジウムの内容に関連のあるポスターも展示されます。