環境省では、風力発電施設における鳥類等の衝突(バードストライク等)について対処するため、施設の計画段階から、鳥類等に与える影響を軽減できるよう、鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きを取りまとめました。
本案について、広く国民の皆様から御意見をお聴きするため、本日平成22年9月16日(木)から平成22年10月15日(金)までの間、郵送、ファックス及び電子メールにより、御意見を募集いたします。
平成22年9月16日
と言うことなのだが、中身を見るともう既にお歴々が形を整えており、これに「ご意見」を、と言うことなのだろう。私はバードストライクは元より鳥そのものについて詳しくないのだが、そんな「ご意見」がたった1ヶ月の間にチョチョと出せる人がそうそういるとは思えない。出せる人はそれなりの人だと思うが、そうした人は既にそれなりの組織に属し、そこを通じて既にこれまでに意見は「手引き」の中に汲み上げられているのか、それとも没になっているのであり、既に関係団体(日本風力発電協会・日本野鳥の会・日本猛禽類研究フォーラム・イヌワシの森倶楽部)
はご意見何かよりはそれへのいち早い対応を準備しているようだ。
最近偶々TVで仕込んだ知識(NHK ワンダー×ワンダー ワシとタカ 美しきハンター 、NHK ダーウィンが来た!生きもの新伝説「世界遺産の街から羽ばたけ!)では、鳥の飛翔と気流、即ち、空気の流れ、風との関係は緊密で、如何にハネをバタバタさせずに空中に留まり、或いは滑空する為に、風の流れを捉えるかは、鳥の生死を決定付けるようだ。地面を這いずり回る人間は風車でぶった切られるような事はなかろうが、風車の高さは鳥の通路の高さなのだろうか、それともそこに近づいてしまうのだろうか。
人の居ない様な山の中にも鳥は居るわけで、愛知万博では「オオタカの巣が見つかって」会場を移した。そのくらいオオタカには「力」があった。そして、渡りをするとなれば、気流に乗るしかないのだが、その長い旅路の入り口や出口である風の通り道こそ、風車にとってももっとも美味しいところなのだろう。
この事案は、2009/12/28の「風力発電施設に係る適正整備推進事業」における、「野生生物保護と両立するための適切な配慮を実施し、風力発電の推進を図る。」ため、「バードストライク防止策実証事業、立地適正化マニュアル作成事業」に基づくモノのようだが、それにしても鳥に関しては随分迅速に対処し、「風力発電施設立地適正化のための手引き」は作られるモノだ。その根本には、「バードストライクの各種防止策を検討しその効果を実証するとともに、立地適正化のマニュアル作成等を行い、事業者が適切な配慮策を実施するための負担軽減を図る。」という、事業者に与える免罪符的な意図が見え見えである。
それに比して、人間に対しては、未だに、「騒音がしているのか、していないのか」さらには「騒音の影響が有るかどうか」などという調査が始まったばかりだ。人間にもせめて鳥くらいの配慮による迅速さがほしいモノだが、やはり、鳥のように風車にぶつかってバッサリと切られるような、”風車による死者続出”とでも言ったようなインパクトが無くては行政やマスコミは動かないのであろう。
それにしても、これまでに、「意見の募集(パブリックコメント)」で採り上げられた画期的なモノというのが現実にあるのであろうか。「意見の募集(パブリックコメント)」と言うのは、一般的には、”一応皆さんにご意見を伺いました。拝聴しました。格別これと言って有りませんでした。”と言う、単なる行政のセレモニーに過ぎないと聞いてはいるが。
日経の17日の「風力発電機、鳥の衝突防げ 環境省が手引き案」 記事では以下のようである。、
渡り鳥の飛行経路周辺に建設する場合は風車が見えやすいようにし、飛来する時間帯には一時運転を止めるといった対策例を示した。10月末に配布する。
風力発電の風車は風の流れに沿って設けるため、気流に乗ってエサを探す鳥が衝突しやすい。手引では衝突の被害を減らすため、鳥が認識しやすいように1枚の羽根を赤色や黒色にすることが効果的とした。また鳥類が光を頼って接近してくるのを防ぐため、照明を消すなどの対策も必要とした。
最近では北海道で国の天然記念物「オジロワシ」が風車の羽根に衝突する事故が起きたほか、岩手県でも天然記念物のイヌワシがぶつかって死んでいる。発電効率の向上だけでなく、貴重な動物を守るためにも対策が必要だとしている。
人間が天然記念物に害を与えたりすれば絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に触れてそれなりに罰せられるようだが、風車は罰せられないのでしょうか。さらには風車は人を害してもこれまた罪はないのでしょうか黙殺の音 鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きに関する意見の募集(パブリックコメント)について。恐ろしいことです。やはり風車事業は治外法権のようです。
最後まで読んでくれて有難う
100916,010924