北海道小樽 銭函風力発電
環境影響評価書案の縦覧始まる
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日本風力開発株式会社が進める銭函風力発電の「環境影響評価草案縦覧開始」されたとするこちらに紹介されている北海道新聞の記事によると、環境影響評価書案の一部には明らか
に意図的錯誤、あるいは作為的なまやかし的な記述が有りそうです。
20数行目当たりから始まる「また低周波音の調査は…」の段で、「また、低周波音の調査は、…環境省による「住宅系地域及び工業系地域」の基準の範囲内で、影響はないとした」の下りですが、これは事業者側による記述でしょうが、低周波音に関してはこうした「基準」は環境省はもちろんどこからも出されていないことは低周波音関係者ならだれでも承知のはずです。
それを平気でこうした事をすると言うことは、想像するに、日本風力開発は「低周波音の調査」として、「住宅系地域及び工業系地域」の基準の範囲内」と言う言葉の部分は低周波音とは別物の普通騒音による「騒音に係る環境基準」から引用、「(測定値からは)影響はない」とする部分は「低周波音」と言う言葉で誤解させやすい「移動騒音源からの低周波音」に対しては使ってはいけないと環境省が言っている「参照値」、または、「騒音に係る環境基準」でも数値的にはクリアできるとばかりに、意図的に錯誤して引用・適用しているのでしょう。そして、こうした決定的に明らかに、まやかし的記述が意図的に挿入されたモノが、一般人相手に、(もし小樽市がこれを看過するようなら、当然ながら素人に含まれるのだが、)縦覧され、それで手続が上手く行き、「事業遂行」が図れれば事業者的には有り難い事でしょう。もし、ここに本当に意図も錯誤もないとすれば、それは明らかに無知ですから、そうした事業者により事業が行われるとすればその後どんなことが起こるか想像するだに恐ろしいことです。
こうした事業者の行為に関して環境省に質した方の話では、「一業者に対して一々云々することはない」と言うような鷹揚な事を非公式には言っている様なことも聞きます。現実的には、「一業者、一業者、…」が積もり、そうした無いはずの”基準”が一人歩きをすることを意図的に放置していると言っても良いでしょう。
この件に関し、新聞社に質してみようとも思ったのですが、このところの他新聞の記事からも、何処の新聞社も低周波音に関して充分解っている者はおらず、一々”イチャモン”を付けたところで、全く無駄なんだなー思っている昨今です。こうした風力発電事業者の詐欺的作為は、たまたま低周波音に関しては私は知り得るのですが、これまでも一般人が知り得ないような他の部分で、一般人の”無知”を良いことに、”常用”、”多用”して、事業を成立させてきたのではないかと疑わざるを得ない次第です。さらに、記者がこうしたことに何ら疑問を持つこともなく、発表内容をそのまま記事にするのはとても残念なことですが、それは大手マスコミの限界として仕方のないことでしょう。しかし、わざわざ”疑わしい”ようなところを記事にしたのは記者の意図かも知れません。
また、三段目、四段目が一部ダブっていますが、その部分の「騒音、低周波音、景観に関しては科学的に検討する。」の下りですが、これらのことは「科学的に検討」の方法が何ら確立されていません。従って検討するにはその方法論から為されなくてはなりません。就中、低周波音については、既にご存じのように、”現況における科学的”には検討はできても、それは影響の白黒、その結果としてのセット・バックを現在では決定することなど出来るはずもありません。
こうした難しい状況であること前提に、平気で「する」と言ってしまう小樽市は、先の記事に依れば、
”山田勝麿市長は、「このたびの特徴は、合計出力4万キロワットという道内有数の規模であるほか、道内各地で行われている風力発電と異なりまして、大容量蓄電池を併置するという先進的な施設であると聞いております。…。このたびの計画はまさに社会的にも大きなものと考えます。資機材の調達、建設工事に伴う地元経済にも大変大きな波及となると考えます。関係機関の協議が進められまして、大容量蓄電池を併設した風力発電所が早期に設置されることを願っている」などと建設に極めて前向きです。
札幌市がセットする「銭函風力発電所環境影響評価書案」検証専門家会議から、どんな結果が出るか凡そ予想できるような気もしますが、ひとまずはどんなメンバーなのか知りたいモノではありますと思っていたら、札幌市のHPの中に載っていました。委員の方々は全て地元勢で絞められ、これまでの低周波音問題には登場してきていない人たちです。この人達がこうした人たちでないと良いのですが。とにかくどんな結果が出されるのでしょうか。
それにしても日本風力開発ではないですが、この地域は、「1年を通して風力発電に適した風が吹き、風力発電機の陸揚げや運搬が可能なこと、送電線と接続できることの条件を満たしている」、素人目にも上戸の口のような形で石狩湾からの風を一まとめに受けて、地形的にはとっても風力発電の適地のような気がします。
100922/100923/101022
最後まで読んでくれてありがとう。
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