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随想
           
電気自動車への疑問(平成22年7月16日脱稿)

    実用に耐えるガソリン自動車が開発されて約百年。その間に人類は数倍もの大増殖を果たし、来るべき100億人時代に備えてのエネルギー不足と地球の温暖化を本気で心配し始めた。しかし、それら大問題の原因の一つを解決できるのは電気自動車だそうだ。

   今や世界各国とも官民挙げて恰も戦争に突入するかのような意気込みで、電気自動車の開発に取り組み始めた。

   でも、私には此処には超大形の難問が隠されているように思えてならない。関係者には自明の課題なのに、この難問に関して誰もが定量的な証拠を示して、問題点を何故正直に公表しないのか不思議だ。

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はじめに

   定年退職後11年余り経った。その間、『細々と生きている年金生活者』としての私は、自動車技術とは無縁な余生を過ごした。しかし、マスコミに氾濫する電気自動車に関する無責任な情報への不快感を、とうとう抑えきれなくなった。

   馬鹿丸出しの記者達の生き方とは、『みんなで渡れば怖くない』式に、他人に同調した人真似報道に参加するだけだ。そこで私は『目には目を』とマスコミに負けないように、蟷螂の斧とは承知の上で、敢えて乱暴な推論を書くことにした。賢人各位からの読後感を通じて議論の精度を上げたいのが本音だ。

   自動車の価値を大きく支配するのは走行コストだ。ガソリンエンジンであれディーゼルエンジンであれ、燃料1リットル当たりの走行距離で比較評価されている。

かつて、燃費は一定の速度(日本では普通自動車の制限速度の上限である60km/h)でテスト走行を行った結果(定地燃費)を燃費として表示していた。しかし加速回数が多くなる市街地の走行では燃料の消費量が大きくなること、また、60km/hにおける定地燃費を意識するあまり、極端なギア比と出力特性のエンジンを組み合わせた自動車が登場するなど、表記上の燃費と実際の燃費が乖離し実態とそぐわない状況が生じてしまった。

そこで新たに採用されたのが、市街地を想定した10項目の走行パターンを想定した10モード燃費、そして郊外を想定した15項目の走行パターンを加えた10・15モード燃費である。

なお、このテストは実走ではなくシャーシダイナモ上で行うが、その際に駆動輪に与える負荷は車両重量ごとに区分が分けられている。そのため、同じエンジンや駆動系を備える同一車種の中でも、グレードによってはわずかな重量差から負荷の区分が異なってしまい、燃費の差が生じている。

例として、2代目フィットでは同じ1.3LのFF車で、1,010kgの車体が24.0km/Lであるのに対して、1,030kgの車体は21.5km/Lとなる。また、前者にサイドエアバッグなどのオプションを装着すると、燃費表記は後者と同じ21.5km/Lの扱いとなる。

なお、定地燃費よりは乖離は小さいものの、依然として実際の燃費とは差が生じている。また、アイドリング状態の燃料消費も測定対象に入るため、停車中に自動的にアイドリングストップを行う一部の車種については極端に良い値が出ることもある。

国土交通省認可時の測定条件

  • 3,000km 慣らし走行後の車両
  • 完全暖機状態 60km/h 15分暖機後モード測定
  • 走行抵抗設定 車両(空車)状態+110kg(2名乗車分)
  • 搭載電気機器 OFF状態
  • エアコン OFF状態


2011年
4月より新試験モードとしてJC08モードに変更される事が、2006年11月1日付けで国土交通省より公示されている。

測定方法

  • 10モード燃費測定
  1. アイドリング状態 (20秒)
  2. 20km/hまで加速する (7秒)
  3. 20km/hをキープして走行 (15秒)
  4. 20km/hから減速して停止 (7秒)
  5. アイドリング状態 (16秒)
  6. 40km/hまで加速する (14秒)
  7. 40km/hをキープして走行 (15秒)
  8. 40km/hから20km/hまで減速 (10秒)
  9. 20km/hから40km/hまで加速 (12秒)
  10. 40km/hから減速して停止 (17秒)
  • 15モード燃費測定
  1. アイドリング状態 (65秒)
  2. 50km/hまで加速する (18秒)
  3. 50km/hをキープして走行 (12秒)
  4. 40km/hに減速して走行 (4秒)
  5. アクセルをオフにした状態 (4秒)
  6. 40km/hから60km/hまで加速 (16秒)
  7. 60km/hをキープして走行 (10秒)
  8. 60km/hから70km/hまで加速 (11秒)
  9. 70km/hをキープして走行 (10秒)
  10. 70km/hから50km/hまで減速 (10秒)
  11. 50km/hをキープして走行 (4秒)
  12. 50km/hから70km/hまで加速 (22秒)
  13. 70km/hをキープして走行 (5秒)
  14. 70km/hから減速して停止 (30秒)
  15. アイドリング状態 (10秒)
  • 上記10モードでの測定3回、15モードでの測定1回の結果から算出される。
  • この間、車両から排出されるガス中のHC, CO, CO2の排出量(g/km)を測定し、カーボンバランス法により燃費を計算する。

   自動車会社は新車の発売前に、行政が決めた走行パターンに基づいた走行試験結果を公表している。走行時に燃料を消費しない電気自動車の場合は暫定的に、走行距離当たりの消費電力量(電気代金)で内燃機関搭載型自動車と比較されている。

   でも、内燃機関搭載型自動車(以後、本論ではその代表としてガソリン自動車と書く)でも電気自動車でも性能をよく見せたいからか、エアコンの消費エネルギーは意図的に除外されている。
   
   両者を比較する時にエアコンの運転負担を除外すると、電気自動車推進派には商品価値の評価に直結するほどの致命的なハンディが隠せて好都合のようだ。販売を開始すれば、予想外に走行距離が短い、とのひ弱な実力が直ちにばれる筈なのに、目を覆いたくなるような卑しい商魂!
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隠蔽されている課題

@ 電気自動車の走行距離は極端に短い。


   ガソリン自動車で長距離連続走行を続ける場合、満タンでの走行距離は概ね500Kmに達している。でも、ガス欠による停止事故を防ぐために50Km程度の走行可能距離を残した時点で、燃料不足を知らせる警報ランプを点灯させるようだ。自動車よりも遅れて建設されてきた高速道路のガソリンスタンドの配置間隔にも、このことは考慮されているようだ。

   ガソリンタンクの形状は搭載スペースを活用すべく複雑だが、残存ガソリン量の推定精度は意外に高い。給油後のガソリンの質的な劣化は無視できるので、ガソリン消費量は新車段階と然して変わらず、残存走行距離は容易に推定できる。

   一方、市販を予定されている電気自動車の走行距離は高々150Km程度のようだ。でも、電池の残存電力量を考慮すると最後の50Kmは、充電装置までの距離が明白でない限り安心しては走れない距離だ。結局、充電装置の配置密度がガソリンスタンド並みになったとしても、長距離走行の場合は100Kmの走行距離しかないことになる。

   尚、電気自動車の場合、残存電力量による走行距離の算定の精度はガソリン車よりも大変悪い。蓄電池は充放電を繰り返すと電極が劣化し、蓄電容量が徐々に低下する。電圧だけから残存走行距離を推定する場合の精度低下だけではなく、電池間のばらつきも大きい。安全を期すためには、走行可能な残存距離は短かめに表示せざるを得ない。

A エアコンの負荷

   エアコンを使わないのであれば杞憂に過ぎないが、大昔の欧州の馬車時代ならばいさ知らず、エアコンなしの電気自動車に乗ることは寒がり屋の私には我慢出来ない。質素に生きる事に生き甲斐を感じている人は我が周りには少ない。

   車室内外温度差は冷房よりも暖房時には数倍も大きくなる。快適な暖房をどのような手段で実現させるかが最大の課題だ。ガソリン自動車の場合は温められた冷却水から、熱交換器を介して熱エネルギーを取りだす負担は扇風機の消費電力が主であり大変軽い。廃熱を熱源として使えるからだ。

   一方、電気自動車の場合は蓄電池からエアコン(ヒートポンプ)か、電熱器を介して暖房せざるを得ない。カローラクラスの暖房負担がどの程度なのか私の手元にはデータがない。我が愛車プログレのマニュアルにはエアコンの負担に関するデータが残念ながら記されていなかった。

   自動車の車体は断熱構造にはなっていない。夏季には車内に取り残された幼児の熱中症による死亡事故が後を絶たないことからも自明だ。エアコンは外気温が下がれば下がるほど成績係数(発熱量/投入電力量)が落ちる。気温が下がり暖房が必要になればなるほど、ヒートポンプの能力は落ちるという熱力学的なハンディからは逃れられない。大昔の家庭用エアコンは暖房能力低下の場合に備えて、電熱器による補助加熱装置が付いていたのを思い出す。

   冬季、雪中で立ち往生した車が、救援を待つ間の暖房でガス欠が発生し遭難したとの悲報が、北欧や北米では引きもきらない。電池からの暖房では所謂『マッチ売りの少女の悲劇』は一層増えそうだ。

   カローラクラスのエアコンの負荷は、我が体験からの類推では我が家(鉄筋コンクリート)の8畳間クラスに当たるのではないか。住宅用のエアコンは熱交換器を大きくできるから、成績係数は年々高くなって来た。小型エアコンの場合、成績係数が6前後の商品も売られているが過大表示と非難され始めた。とは言え、年間の平均効率は3前後にはなるらしい。

   しかし、車載用は小型軽量化を目指さざるを得ず、技術的な難易度は格段に高くなる。外気温が零度になれば、我が独断ではコンプレッサに必要な消費電力は3Kw。成績係数を2とすれば、860*3*2=5,160Kcalの暖房能力だ。これによる走行距離の短縮はどの程度になるだろうか。

   300Kgのリチウム電池の充電容量は高々30Kwh程度。平均50Kmの速度で2時間100Km走行できれば、走行時の消費電力は15Kwだ。我が推定が正しければ、暖房時の走行距離は2割も短くなる。

   昔むかし、蒸気機関が搭載された貨物船が完成したとき、大西洋を横断するための燃料(石炭)を積んだら荷物を積むことが出来なかった、という笑い話を思い出す。搭載電池を増やせば増やすほど走行距離は伸びるが、ドライバーが座る場所すらも無くなるという喜劇が発生しかねない。

B 少ない電池容量

   最新鋭のリチウム電池でもそのエネルギー密度はガソリンの僅か1%に過ぎない。300Kgの電池は3リットルのガソリンと等価だ。でも、電池から取り出した電気エネルギーを、モータを介して機械的エネルギーに変換する効率はガソリンエンジンの5倍くらいはあるので、実質的には15リットルのガソリンに匹敵する。
   
   大局的に見れば、電気自動車の走行距離は50リットルのガソリンタンクを搭載したガソリン自動車の3割程度になり、高頻度(連続走行ならば2時間置き)の充電作業は大変煩わしい。
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国際的な総力戦

   今や日米欧中韓を初め各国とも、官民挙げて電気自動車に関する要素技術の開発競争に突入している。電池生産に関係の深い業界では、真正面から本気で電池開発に取り組まなければ経営者として失格宣言すら受けかねないとの危機感にも背中を押されて、社運を賭けて資金と労力をつぎ込み始めた。

   技術の進歩には大別すれば二種類がある。土方仕事のように労力を注ぎ込んで試行錯誤を繰り返せばそれなりに進歩改善する分野と、超ノーベル賞級の頭脳を投入しても簡単には進歩しない分野である。ところが何と電気自動車には、その両方が求められている。
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土方仕事

   此処でいう土方仕事とは、ピラミッドの建設のように労力さえ惜しまなければ、それなりに大きな成果を挙げられる分野を意味している。アフリカ各地で、あの小さな蟻が作ったとは信じられないほど大きくて且つ頑丈な蟻塚を目撃した。文字通り、塵も積もれば山となる典型例だ。

@ 電池価格は必ず下がる

   製造工程を機械化し量産化すれば、それなりに原価が下がる。今や大手電池メーカだけではなく、新規事業を虎視眈々と狙っていた世界的な大手電気化学材料メーカが巨額の設備投資を開始している。原価低減は彼らの体力競争でほっといても実現するのは自明だ。

   おまけに万一皮算用ほどの需要が無ければ、需給関係の悪化が商品価格を下げることは世の常。かつて半世紀前にいすゞ自動車が販売したディーゼル乗用車ベレル(クラウンクラス)が売れなくなった時、新車が何と3台100万円で乱売された事件を思い出す。電池の販売価格が現状の半額になるのは時間の問題だ。
   
   電池価格に占めるリチウムなどの稀少材料の争奪戦も始まった。稀少材料には代替材料の発見が期待されるだけではない。やがてはリサイクル業界からの供給も始まる。資源開発に大規模な投資が続けば供給過剰になるのも時間の問題だ。

A 充電速度は上げられる

   電池は全て直流だが、電力の供給網は交流だ。半導体の進歩により交直変換技術も進んできた。作動電圧が上がれば上がるほど、大電流も流せるので充電時間も短縮される。

B 充電網も広がる

   充電装置の技術進歩による小型化と量産化が進めば装置もどんどん安くなる。需要があり儲かると判明すればこれもまた世の常。ガソリンスタンド並みに充電スタンドが普及するのは時間の問題だ。
 
   場合によっては家庭用の超小型充電スタンドが普及する。究極の姿は充電装置の車載化に尽きる。旅先でもコンセントさえ使えれば解決するのだ。

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超難関な技術開発                                         

@ 蓄電池


   鉛蓄電池の歴史は1859年にフランス人のガストン・プランテにより発明されました。その電池は2枚の鉛板の間に2本のテープを挟んで円筒状に巻き、希硫酸中で充放電を繰り返して正極が二酸化鉛に負極が鉛の活物質を持つ鉛電池でした。
   
   1880年代以降はペースト式極板電池がフランス人のカミュ・フォールにより発明されその後、鉛―アンチモン合金格子の出現により電池の量産化が容易になりました。

   日本では1895年に島津製作所内にて二代目島津源蔵氏が初めて蓄電池の試作に成功したことに始まります。19世紀末から20世紀初めにかけて据置用、可搬用および電気自動車用などに大容量の電池が多く用いられました。1930年代になりガラスマットやクラッド式極板が実用化され産業車両に耐震性を発揮しました。
   
   1950年以降はモータリゼーションの発展に伴い自動車用電池が急速に伸び、1970年からは密閉形の陰極吸収式小形シール鉛蓄電池が登場し、各種のポータブル機器に採用されました。この電池はその後二輪車用や据置用電池などにも拡大していきました。

   これらの開発により鉛蓄電池は現在までに二次電池の大容量蓄電池の主流となっております。


   鉛蓄電池が発明されて150年も経過したが、その技術進歩は遅々たる歩みだ。現在期待されているリチウム電池も容量はガソリンに比べ大変小さい。その根本的な理由は化学変化で電力を貯蔵する原理の限界にある。

   この限界を大きく突き破ることが出来る原理の発見には、土方科学者や土方技術者には期待できそうも無い。アリストテレスやアインシュタインクラスの頭脳でも超難問だ。

   一時は燃料電池車が脚光を浴びたが、低価格触媒が発明されない限りお蔵入りのママだ。未だに何の見通しも立たないまま、世界の関係者は電気自動車の開発に雪崩を打って移行したようだ。8年半前の我が予想(ホームページ⇒随想⇒燃料電池車)の通りだ。

A 類似の難問その1

   世の中には大容量高効率の電池の発明同様、期待されながら解決の糸口すら見つからない超難問がある。その一つは核融合の実用化だ。数十年先には実用化できるとの無責任な出任せの未来予測が過去延々と氾濫しているが、炉心に使う超高温耐熱材料の発明待ちだ。発明できるのか私は大変疑わしいと予想している。

B 類似の難問その2

   農耕が西アジアで始まって一万年も経った。その間に品種改良・合成肥料の発明・遺伝子の発見による多収穫穀物の開発など絶え間ない努力が払われたが、こちらも徐々に技術進歩は頭打ちしている。

   屋外で栽培する限り穀物の多収穫化は、太陽光のエネルギー密度に最終的な限界がある。屋内で栽培する植物工場は、エネルギー負担の軽いサラダ菜などの葉菜類やトマトなどの果菜類が主。主食となる穀物の栽培は採算性が伴わず不可能に近い。人類の大繁殖の壁はマルサスの人口論を待つまでも無く、畢竟今尚飢饉にある。


需要予測


 @ 回収できない初期コスト

   我が愛車プログレは来る7月30日に11年間経過後の車検を受ける予定。走行距離は未だ5万Km弱。我が家からたったの1里(4Km)以内が日常の使い道だ。市役所・病院・薬局・郵便局・劇場を兼ねた大型市民会館・図書館・美術館・サッカー場などスポーツ設備・各種老人ホーム・名鉄駅・ホテル・百貨店・スーパー・大形ショッピングセンター・ホームセンター・コンビニ・本屋・映画館・ガソリンスタンド・ファミレス・回転寿司・・・等など全部揃っている。江戸時代と同じように徒歩でも用が足せる生活圏だ。

   ゴルフやテニスの所属クラブも往復50Km以内にあり、一見すると走行距離の短い電気自動車で十分だ。しかし、偶の国内旅行など長距離には、電気自動車が向かないだけではない。たとい電気代が只になったとしても、延べ走行距離が短かすぎて、初期コストを回収する見込みが立たず買う気が起きないのだ。

A 買い手は特殊用途分野

   経済振興の旗振りをせざるを得ない採算度外視の官公庁。毎日の走行距離が安定している郵便集配・配達車や宅配便。これらは充電作業も定例業務の中に入れられるから電気自動車も使いやすい。

   暫くの間は電気自動車の購入者には税金による補填が続くとしても、補填制度を永遠に続けるのは無理だ。受益者負担の原則に反するからだ。

B 物好き需要は高々10%程度か

   最後の買い手は物好き愛好者。電気自動車に限らずスポーツカーなど特殊な車に関心を示す愛好者は何処にでも居るが、高々10%以下のマイナーな存在だ。

   セカンドカーとしての短距離走行に特化した需要も無視は出来ないが、こちらには超安価な従来からのガソリン車がライバルだ。日本の軽だけではない。インドのタタ車は何と28万円台(10万ルピー)だそうだ。
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おわりに

   今をときめくハイブリッドカー・プリウスは過渡期の車だ。でも、この車に内蔵されている諸技術は新型電池が発明されてもそのまま活かされるだけではない。

   近い将来(10年先)の主力はプラグインハイブリッド車だ、と私は確信している。従来のガソリン車の燃費を半減でき、満タンでは電気自動車の10倍、何と軽く1,000Kmも走れるのだ。此処には電気自動車・ガソリン車・高性能蓄電池の全ての長所が組み込まれている。短距離は電気自動車として、長距離はハイブリッド車として。しかも、搭載電池重量は電気自動車の半分で十分だ。

   でも、私は今のプログレを後10年間は使う予定。そのころには残念ながら、胃がんと食道がんで5回も入院治療した私は、がん死済みと無念にも想定し、今年後半のテーマとして我が墓の企画建設(9平米の豊田市営墓地は入手済み)に取り組む予定だ。

   今回は特に賢人各位からの『揚げ足取り、誤謬のご指摘』などの読後感を拝受することを楽しみにしている。


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読後感
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お久しぶり!!元気そうでなによりです。とりえの無い私めは、一生懸命仕事に励んでおります。今朝も8時から出かけ、丁度レポートを送信して、一息ついたところで、久しぶりに貴殿の高説を拝読し、たまには返信しないと忘れられそうなので・・・・・

*電気自動車に関する私の意見はほぼ、貴殿と同じです。プラグインハイブリッドには期待できそうですね。しかし、考えてみれば免許証返納が5年以内にはあるし、私も貴殿も余命1〜10年、先のことを心配してもしょうがないと言うのが実感です。

*大腸がん:能楽仲間で、リーダーから一番期待されていた人物が(豊田工大の教授で半年前定年を迎えた)定年後数ヶ月で、大腸がんの宣告を受け、医師から抗がん剤投与・放射線治療を勧められ、全てを投げ打って闘病中です。それにつけても、貴殿は度重なる試練に猛烈にチャレンジし、見事乗り越えていった精神力には ただただ 敬服あるのみ。

*プログレ:これも、能楽仲間ですが、資産家の奥方がプログレを買ったはいいが、あまりにも燃費が悪いので(初期のモデルかもしれません)VWへ乗り換えた人がいます。本当の金持ちは、物を大事にすると言うことでしょうか。

*私の現在の楽しみは「数ヶ月で生まれてくる孫」と「能楽仲間と謡い・踊り・吹き(能管)」。恥をかいて、今度こそ先生に褒められる様努力することです。先週も先生方が5名(50名ほどの集まり)もいるところで、大恥をかき意気消沈しているところです。

*スキー:昨シーズンは10年ぶりの大雪に恵まれ最高のシーズンでした。カナダのウィスラーから始まり、青森の八甲田(10日間滑りまくりました)で締めくくりましたが、来シーズンが最後になりそうな予感がします。

@ トヨタ先輩・工・ゴルフ仲間・多趣味・能楽の発表会は伊勢神宮の舞台でも!・スキーは世界中が舞台・パソコンはセミプロ級

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自動車が @ エネルギ不足、A 地球温暖化低減 に有効な方法として、電気自動車への転換がある。

石松さんは
A 超大型の難問があると思われるのは何ですか?
B 定量的な証拠のメジャーは何ですか?
  それをハッキリされないと、何をおっしゃりたいか 分かりません。

私個人としては、
イ、ガソリンエンジン用の地球上の採算・技術上の採掘可能原油の残量見込み?
ロ、電気の発生源の量(原子力、風力、石炭、天然ガス?、波、地熱、・・・)の見込み?
ハ、エネルギー効率度合い。エネルギーコスト。
ニ、地球温暖化低減の寄与度合い?コスト低減などから、自動車のガソリン、デイーゼル、 (LPG)エンジンから 電気自動車への転換が 解決策か、定量的検証が必要に思えます。

・エネルギー効率の悪い電気への転換は納得していません。
・価格が高く、資源の少ないリチューム電池は 供給量(将来とも)、コスト・・の検証も必要に 思えます。
・水素Hの燃焼が水のみになるので、最高方策に思えますが、安全、コスト、・・など実用化技 術不明?

 熱力学、エンジン屋としてのつたない感想です。

A トヨタ後輩・工・テニス&温泉旅行仲間・超多趣味・柔道では国体出場・カラオケ名人⇒師匠に弟子入り⇒オーダーメイドの衣装を纏って客席2,000の大劇場で披露⇒車中でCDを聞いたら五木ひろしと勘違いした!芸名は藤ゆたか⇒藤は姓の一部、ゆたかは元勤務先のトヨタに由来・自宅の庭は家庭果樹園化(20種前後)

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ホームページ更新を拝見しました。博学の石松様からの電気自動車への疑問は小生には分かりません。

自動車は燃料が無ければ動きません、ガソリンから電気になっても燃料には変りがありません。電力を作る燃料が必要です。

現在使用しているプリウスは燃費が良く大変助かっています。
 
ところで石松様が大腸の検査は良かったですか。近くの温泉にお出かけのようですが、石松様のお勧めの温泉はどこでしょう。

B 豊田市の地元の名士・豊田章一郎元トヨタ社長とも親交

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永年自動車産業に携われて、入社当時より今日の発展は目まぐるしい進歩があったと思われます。 コンピューターの搭載によって特に制御技術は、格段の革新を巻き起こし、HVにしても今後のEVにしても新技術が要求されてくることでしょう。

燃費の問題にはもう一つ解決しなければならないこと、それは車体をいかに軽くするかだと思います。

ボーイングが航空機軽量化のために炭素繊維を採用し始めたように、日本のお家芸であるメーカー東レ、帝人そして三菱レーヨンが本格的に大量生産体制に入ったことなどから、鉄に変わる素材が一つあると思います。

次に蓄電池の問題は、記述にあるように昭和のエジソンと呼ばれた島津源蔵が日本電池を創業して現在の飛躍を見てますと、人間の英知は無限ゆえ、ガソリンに対抗する画期的なものが必ず近い将来開発されると、確信いたしております。

余談ですが、IPSの万能細胞にしても、有機ELそしてLEDにしても、現実のものになりまた現実になりかけております。

大変興味をもって拝読致しました。まさに自動車のイノヴェーションが起こりつつある現況は消費者の一人として目が離せません。

生きている間に手塚治虫のアトムに出てくる沢山の空想自動車が現実になる日を楽しみにしております。

C 大学後輩・ふとした機会に出会った方。

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何時も素晴らしい明晰なる記述に敬服です。

もうそろそろトヨタも世直し、大衆の啓蒙を牽引する。リ-ダ-シップを進められるマンモスになってもいいのではないでしょうか。り-ダ-たる器になって欲しいものです。

何かビッグなんだけど、時代の指導者でもないように思えるのです。チマチマしている感じです。外野の戯れ事をご容赦ください。

あえて言えば世界中の若者を教育する大学の設立とか--世界の人材育成はトヨタがやりましょうとね!!

D テニスクラブで出会った方。何かで倒れられたものの、10年以上ものプール内での歩行リハビリで元気になられた方   

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ご無沙汰しております。久しぶりにホームページ拝読しました。

電気自動車か従来の自動車かの判断はユーザーが決めることと思います。政治が介入する事ではないのではないでしょうか。

小生は車について『快適 利便 環境』の三要素を、如何に満足し楽しめることではないかと思います。何時でも、何処へでも、知らない世界に旅する楽しみが実現できればと思っております。その意味では、あるときは電気自動車、ある時はガソリン車との共存の時代が来るのではないかと思っております。

只、マスコミが言う極端な扇動は良くない事と思っております。色んな技術開発は技術者の血の滲むご努力により実現して来たことも史実であり、感謝いたしております。

技術は過去の漫画家が夢を書きそれを実現してきたこともあります。皆様が子供の頃読んだ漫画の世界が次々に実現した喜びを、生活向上から余暇を楽しむ時代への変化の中で感じ取ってきたのではないのでしょうか。

こんな感じを持ちながら、論文を読ましていただきました。有難う御座いました。今後も楽しみにしております。

E ゴルフ仲間・2回ものがん手術から復活された鉄人

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暑中お見舞い申し上げます。やっと梅雨もあけたようです。小生梅雨には縁があるようで、先日は通常なら1時間で行ける佐賀に大雨による交通止めで、高速道路が使えず4時間かかりました。

-- さて 電気自動車についてのご意見は全く同感で、何か CO2対策をやっています との PR と思います。小生 直感的には 水素
(水素エンジン?燃料電池?)がまだ ましと思いますが、いざとなれば 問題点が 多数出てくるように思います。

このような CO2に関連する問題は 人口の指数関数的増加が原因との説もあるようですが答えは 「神のみぞ知る」でしょう。

最近 2012年に ノアの大洪水なみの 大災害が 起こるとの説が正しいように思えてなりません。歳のせい?

F 大学級友・工・今尚現役!!・帰省の折には博多で必ず会う終生の友

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1960年代に初めて自動車を買った。入社した頃、一生の内に自動車を持つことなどあり得ないと思っていたので夢のようでした。

車はパブリカ、700CC空冷エンジン。とにかくアクセルを踏むだけで走るので大満足でした。ゴールデンウイークに名神高速の天王山トンネルを登ったところでエンジンが動かなくなった。オーバーヒートでした。

パブリカの暖房装置はエンジンの空冷に使った外気を室内に導入する構造。真冬はほとんど効かないのでコートを着て運転していました。先輩から教わって、エンジンルームに空冷用外気を引き込む通路を段ボールで塞いだ(正確には狭めた)。春になって取り外すべきところを忘れていたためでした。車への不満より自分の不注意を恥じました。

今や、エアコンは当りまえ。静粛性がどうの、振動特性は?、ドアの開閉の音色は?・・・・要求過剰の時代になりました。文句があったら自転車に乗れ!

しかし、売るためには客の関心がある特性値を大きく表示することになる。今は「走行コスト」(リッターあたりの走行距離、または走行距離当たりの電気代金)になっている。

家庭用エアコンがクーラーと呼ばれていたころは冷房能力で機種を選定していたが、暖・冷房兼用のエアコンになって消費エネルギーが大きい暖房能力を基準にした選定になった。

贅沢な世の中になって、車も走行コストだけでなく、エアコンコストを含めた「稼働費」を価値判断の特性値として表示すべきかもしれませんね。

G トヨタ先輩・工・ゴルフ&テニス&温泉旅行仲間・2年後には現プログレをプリウスに代えるそうだ。

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EVで冷暖房負荷が問題とのご指摘全く同感です。

先日も車雑誌で三菱EVの記事を立ち読みしていましたら、冷暖房はなるべく使わないようにとか、AUTO A/Cが無いとか、曇り止めの為暖冷の併用が出来ないようにしている等の記事がありました。

高価な電池で苦労していることはよく分かりますが、自分の問題は電池容量が何程でそれに対する冷暖房負荷が何程になり、走行距離への影響がどうなるか定量的な検討をする気力が湧いてこないことです。

電池が安価になり、容量がガソリン40L相当になれば普通に使えるでしょうか?

H トヨタ先輩・工・ゴルフ&温泉旅行仲間・ゴルフは年間100ラウンド前後⇒海外では何と40ラウンド前後

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「電気自動車」、拝読いたしました。

 周知の如く自動車の原動機としては、現在主流の内燃機関よりも電動機や蒸気機関の方が古かったんですよね。

 交通機関の原動機に要求される特性には色々ありますが、ペイロードに直接関係する、原動機の重量あたりの出力と、その燃料からの重量あたりのエネルギー密度が重視されます。

 電気自動車は内燃機関に比べて、その何れもが劣っていたために自然淘汰されたと思われます。近年になってそれらの欠点が改善され、内燃機関を凌駕することが可能になったのでしょうか。

 積載する燃料については太陽電池の利用が提案されていますが、受光面積あたりのエネルギー密度や天候の影響などで困難ですね。(ソーラーパネル搭載の無人飛行機なども話題に上ってる様ですが)

 燃料電池も燃料(水素)製造に消費されるエネルギーまで含めてその効率は如何なものでしょうか。(原子力の利用については別途廃炉の問題なども含めて論じるべきだと思っています・・・)

 話は変わって私、また電動(アシスト)自転車を買ってしまいました。家内が存命のころ(10年ぐらい前)、2台買ったんですが航続距離が短くて余り利用しないうちに、電池の寿命なのか充電不能になってしまい、放置されて居りました。

 このたび購入したのは最高級仕様で、電池もリチュウム、容量も倍の6.0 Ah 、減速時のエネルギー回生機構つきで、航続距離も坂路を含む標準走行パターンで約 75 km。

 今度こそは元を取るべく、この灼熱の太陽の下、励んで居ります。(ただしアシスト力が強くなっているせいか脚も痛くならず、エクササイズには向かないみたい・・・) 

I トヨタ後輩・工・テニス仲間・男3人兄弟全員東大卒(航空原動機・航空原動機・機械)⇒エンジンではトヨタを代表できるほどの権威なのに、我が報告の誤謬を指摘してくれないのでがっかり!

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電気自動車ですが、私には自信を持って見解を述べられる専門知識はありません。退任後に暫らくの間、アイシン高岡で行っていた燃料電池向けセパレータの試作で電解加工を試みて頂いており、週に数日豊田市まで出向いていました。

当時、トヨタグループはメルセデス・ベンツグループと燃料電池車の実用化で先陣を競っていましたので、その一環の作業に参加させていただいていた感じでした。従って、環境対応の次世代車は燃料電池車と思っていましたので、(ベンツ・グループは変えていないようですね?)化学バッテリーによる電気自動車が今日のように浮上するとは意外でした。

しかし、リチウムイオン電池の実用化に加え、昨今の途上国での取り組みや、日米政府の政策等を見ますと侮れない気もします。レベルさえ問わなければ比較的簡便に開発できる、購入に補助金が付くことに加え、わが国を含む先進国での高齢核家族化による買い物難民層の増大という社会環境があります。

小さな町に住む我が家でも、近くの商店が軒並み店じまいをし、日常の生鮮食料品買い出しにわが老妻は、電動補助自転車で橋を越えた大型店まで出かけます。数km先の大型店に日用品を買い物に出かけるだけでも車が必要な層がますます増えてきそうです。そんな層に、家庭電源で充電できる二人乗り程度の軽量電気自動車は最適なような気がします。

問題は、高額なリチウム電池価格は勿論ですが、電気自動車がガソリン車並に普及したときには、核廃棄物の処理方法にめどが付かない時点で、原子力発電所が相当数増設の必要が出てくることであり、化学電池の大量生産がその廃棄処理を含めて環境にさらなる負担を与えないかという懸念です。解決を要する課題は多いと考えます。

思いつくままに...

J トヨタ先輩・工・若くして辞職されて郷里で大成功・発明考案特許は200件を越える日本のエジソン

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石松さんのおっしゃるとおりと思います。

ただ、保険としてトヨタがテスラに出資していることは已むを得ないことと存じます。PHVまでの開発で十分と理解しています。

K トヨタ後輩・工・テニス&元仕事仲間

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日産再建問題と違ってこれは私には難しい。最初は燃費計測法の説明だけで頭が痛くなる。技術者人生を入社1年で廃業は遺憾ながら正しい選択だった。大学は4年だが、サラリーマンは一生、頭が痛くなる分野では一生は続かない。

好きな地図だと何時間見ていても飽きないが。それにしても日本車は燃費がいいね。私が米国で持っていたフォードの6000CCの車は高速道路でガロン9マイルだった。タンクは20ガロン。半分になると補充していた。90マイルごと。大体2時間弱だった。ガス欠は一般道路では一度経験。高速道路では偶数き数の給油制限の時に次の給油所まで20マイル?をメーターゼロで走った。エアコンを止めて経済速度で。

さて読後感だが、議論には付いていけないが、直感で石松説は正しいと思う。大騒ぎするには電池はまだ問題が多い。遺憾ながらますます時流に迎合しないと、公的機関や大学では研究費が貰えない。だから上滑りの研究テーマが氾濫しているが、ガソリンエンジンの寿命はまだまだ続くだろう。暖房用電源の指摘も石松論文で初めてお目に掛かった。たしかに冷房より暖房の方が重要だ。

蛇足だが、1985-86年のイラク勤務、トヨタ中古車が氾濫、しかしエアコン付きはまだ少数(私の職場では団長だけ)。真夏は外気50度。エアコンなしの車までは熱風を避けて窓を閉めて走行。1年4か月でばてた。

L 東大工&:経・トヨタ同期・入社後一年で依願退職⇒平成23年4月27日受信

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