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健康
           
生肉療法(平成18年7月30日脱稿)

   最近ゴルフ仲間が、多重がんで衰弱している筈の私の飛距離が、何故か格段に伸びてきたと一様に激賞し始めた。かつてはOB多発の谷越えの難関ホールでも、今や面白みが激減。その主因は今年から始めた『生肉喫食』にあると自己評価。

   全動物界の食生活を観察すると、総ては非加熱・未調理食材を喫食していることに嫌でも気づく。原人以降の人類(原人・旧人・新人)だけが、地球の生命史上初めて加熱処理の食材を食べ始めた。これは人類の異常な繁殖には役立ったものの、何億年もの間継続してきた生命維持手段の伝統から外れた特殊な行為に思えてきた。

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はじめに

   現在、最強の動物であるトラやライオンの食材は総て生肉。ここに人類の末裔の一人としても、学ぶべきヒントが隠されているのではないか、と思うに至った。生肉ならばビタミンを初め生命維持に必須の隠された栄養素が、充満しているのではないかと思えたからだ。生肉の食材から人間の生肉への材料変換は最短距離なのにも合理性がある。

   過酷な生活環境で生き延びているエスキモーの主食は生肉。猛獣ならぬ人類にとっても生肉は、最良の食材に思えてきた。世界に冠たる中華料理は、価値の乏しい食材を如何にして美味しく食べさせるかの、いわば飢饉食に感じられてきた。
   
   そのままでは食材としては見向きもされなかった、アヒルの皮・フカの鰭・海燕の巣すら、北京ダック・鱶鰭スープ・ツバメの巣のスープとして、高級料理へと格上げした努力には一目を置いているが・・・。

   我が友人達は残された僅かな余生も楽しみたいためか、高額な会費を払いつつ、今流行しているスポーツジムに頻繁に通うだけではなく、自転車漕ぎなどの諸道具を買い込んでは、只でさえ狭い居間でハツカネズミも顔負けするような努力を飽きることなく、空しく続けているようだ。

   私は一番簡単な方法で体力づくりが出来る方法は猛獣に学ぶべきだと考え、下記のような生肉類を買い求め、毎日100gを酒の摘みに食べ始めたら、半年間でそれなりの効果があったと感じてきたので、ここに開示することにした。
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生肉の例

@ 馬刺し

   ど田舎の豊田市では松坂屋豊田店でも各スーパーでも馬刺しは残念ながら、殆ど売られていない。長野県や熊本県ではあちこちに売られているのに、需要が無いためだろうか?   しかし、今や通販全盛時代。

   通販で一度に4Kg購入し始めた。数百グラム単位の冷凍ブロックで入手。半解凍して100g単位に切り、ラップで包装後専用の冷凍庫で保管。酒の摘みには一回分100gで十分なのだ。

   馬刺しには霜降りや燻製もあるが高価なので日常食としては見送り。

A 鯨

   調査捕鯨のおこぼれか、鯨肉も通販で入手可能になってきた。敗戦後長い間食べていた鯨はどす黒く、刺身では食べたこともなかった。しかし、急速冷凍技術が進んだ現在では、鯨の刺身が食べられるようになったのだ。これも2Kg単位の通販のおかげ。

   冷凍鯨を入手して判明したことが一つあった。牛・馬・羊・豚・鳥と異なり、鯨は何故か血抜きされていなかった。巨大な鯨の死体から血抜きを完全にするのは長時間かかるため、省略しているのではないか、と推定している。嘗ての鯨の黒い色は変色した血の色だったと推定。

   いつものように100g単位に切り分けたブロックを解凍すると、毛細血管から大量の血が流れ出すのがイマイチ不満だが、鯨は巨体にも拘わらず肉は牛馬や熊(北欧で買った缶詰)と比べると大変柔らかく、わさび醤油に漬けて食べると、酒の摘みであったことを忘れるほどに箸が進む。

B 牛のサーロイン

   牛の肉は部位により様々な名称が付けられている。ロインと名づけられた部位が余りにも美味しいので、貴族を意味するサーが付けられたらしい。ここにも通販が登場。オーストラリア産のサーロインを一枚ずつ真空パックし、120g*26枚単位で販売。

   これだと食べるつど、一枚ずつ解凍すれば済むので、扱いやすい。リタイアー後に料理教室に通う友人も多いが、勉強嫌いの私には苦痛なので諦めた。でも、ステーキの焼き方だけは添付されていたレシピを元に我流で挑戦。
   
   何度も挑戦した我が最終版は、肉の両面に胡椒と塩を振りかけ、フライパンに最小限の食用油を引き、3KwのIHヒーターで加熱後、肉の両面を各1分間焼くだけ。焼く目的は単なる香り付け。中身は殆ど生。

C 牛のヒレ肉

   ヒレ肉は盛牛一頭からたった6Kg程度しか取れないそうだ。サーロインほど脂肪が入らないにもかかわらず、足や肩の肉とは大違いの大変柔らかな肉である。かつては豊田そごうの肉屋から米沢牛(和牛の一種)のヒレ肉を一度に150g*20枚=3Kg買っていた。

   米国産牛肉の輸入禁止以来和牛の価格が上昇した今は、知り合いの肉屋からF1(ホルスタインの雌と和牛の雄の交雑腫)のヒレ肉を20枚単位で纏め買いし冷凍保存。こちらも一枚ずつ包装されているので取り扱いは簡単。焼き加減はサーロインと同じく、いつもレア。

D 生ハム

   日本では何故か材料の豚肉に比べ大変高価である。したがって一度に食べる量は50g。酒の摘みの主力にはイマイチ。

   欧州では生ハムが大変安い。持ち込み禁止とはつゆ知らず、かつて2万円分を入国時に申告したら没収されて以来、見つかれば没収されることを覚悟で一度に10Kg程度持ち込んでいる。しかし、大型鞄の中身の調査はされたことは無い。国産業者の保護のための規則に過ぎない、と思えば思うほど不愉快。

E 合鴨の燻製

   合鴨とは渡り鳥の鴨ではなく、アヒルと鴨の交雑種。飛べない鳥として大量に飼育され大変安くなっている。

   4Kg単位で通販から燻製を入手。スライス後そのまま食べられるので、大変簡単な作業だ。ダチョウやラムの生肉が3Kg単位で売られているが、イマイチ美味しくないため、見送りのまま。
  
F 鮭の燻製

   10年以上も前から自分で燻製を作っていたが、面倒になったので完成品の購入に切り替え。スライスしたものを真空パックにしてスーパーでも売られているので、一度に(80〜100g)*20枚単位で購入。

   売られている鮭の燻製は総て冷燻法。その実質は水分を飛ばし、塩分や香りを付けた生魚と評価している。いわば西欧式刺身に過ぎないが、骨や皮も取り払われているので、食べやすい。

   欧州では鮭の燻製は何故か大変安いので、立ち寄るたびに10Kg程度一度に購入。魚類の燻製は生ハムと異なり国内への持込は自由。
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おわりに

   定年退職後は、水土日のスポーツ日以外は自宅で過ごす頻度が高まっている。胃がんの治療で胃を2/3切除して以来、一度に食べられる食事量は少なくなった。退院後は暫く一日に5食していたが、大変わずらわしく、3食に戻していた。

   しかし、3食ではカロリー摂取量が不足し、少し油断すると体重が2Kg程度落ちることがあった。そこで今年からは在宅中は極力4食を心がけ始めた。おやつ代わりだ。それが自分で簡単に準備が出来る『生肉喫食』だった。

   食べる時間は固定していない。夜明け前だったり、午後になったり気ままな食べ方だ。体力が復活したのか、大瓶1本のビールも時間をかければ一度に飲めるようになった。録画ビデオを見ながらの一時間程度のおやつ時間は我が天国だ。

   専用の100リットルサイズの小型冷凍庫は我が食材で常に満杯だが、子供達が立ち寄った時のお土産は保存している冷凍食品がいつの間にか定番になった。

   去る7月19日に我が待望の50型フルハイビジョンのプラズマテレビが松下電器から発表された。発売は9月1日。近くの電気屋ではカリモク(愛知県では有名な高給家具メーカ)のテレビ視聴用の安楽椅子も一脚約20万円で売り出された。

   年内にはそれぞれを購入し、のんびり生肉を食べながら、誰に煩わされることもなく、録画を見ながらのんびり過ごしたい。おまけに、無努力でゴルフの飛距離も伸びてきた。暫くはこの生活パターンを大事にしたい。

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