本文へジャンプホームページ タイトル
健康
           
鼠退治騒動(平成18年9月18日脱稿)

   今夏、インターネットの同軸ケーブルが鼠に噛み切られてしまった。ケーブル内の8本の細いワイヤーの結線は何とかできたものの、真因対策としての鼠の駆除は試行錯誤の連続。

      二ヶ月もの予期せぬ時間を要した。

上に戻る
はじめに

   32年前に新築移転した直後に屋根裏を鼠が走り回った。その時は金網製の古典的なネズミ捕り器でいとも簡単に生け捕りに成功した。バケツに水を張り、ネズミ捕り器を水没させて溺死させて一件落着。その後、鼠は現れなかった。
   
   この夏、突然鼠が出没し始めた。
   
                                                                  上に戻る                         
鼠の出没

   一階にある我が専用のパソコンルームの天井裏で鼠が走り回る音がし始めた。夜には二階の寝室の天井裏でも鼠が走り始めた。何匹進入したのかは解らなかった。

   あるとき、食堂の床を鼠が走り去るのを荊妻が目撃した。鼠は部屋のコーナー沿いに移動するとの俗説を信じて、荊妻が昔使ったネズミ捕り器に鼠の好物を入れて、鼠の通り道になりそうな場所に設置した。何度も餌を取り替えたが一ヶ月近く努力しても成果は上がらなかった。

   あるとき、我が書斎のオープン書棚に並べていた家庭菜園用の種を鼠に食べられていたことに気付いた。また別の日には台所や納戸に放置していたピーナ等の食材を齧られていることにも気付いた。

   鼠が食べそうな食料は総て冷蔵庫や食品保管庫に収納した。我が酒の摘みの乾物類は総てスティール製の書類収納用ロッカーに入れ鍵も掛けて完璧を期した。食料が調達できなければ、鼠は退散する筈と予想したのだ。

   米は大型のタッパーに入れて蓋をぴったり嵌めていた。蓋の勘合部は全周に亘って盛り上がりがあった。あるとき、その勘合部の盛り上がり部分の殆どを鼠が齧った。蓋には細長いスリットが出来、タッパーの機密性は失われた。
上に戻る
インターネットが不通

   ある朝、突然インターネットが不通になった。落雷事故も無かったのに他の2台のパソコンも不通だった。モデムなどの連結部などにも異常は無かった。

   コードに異常が無いか一本ずつ調べたら、プロバイダーが施設した同軸ケーブルの一部を鼠が齧っていた。同軸ケーブル内には細い線が8本あり、そのうちの2本が噛み切られていた。細い線の被覆を剥ぎ、切断部を繋いだらインターネットは回復した。

   しかし、その数日後にまたもやインターネットが不通になった。今度は8本全部が切断されていた。8本の細い線の被覆材は総て色が異なっていたので、切断面の 8本の対応関係は識別できた。合計16本の被覆を剥くのは面倒だ。同軸ケーブルを30cm切り取り、ニッパーでの被覆剥ぎ取りの練習をした。少し力を入れすぎると、細い線を切断してしまうので、力加減の学習を迫られた。

   延べ30分近くの苦闘の末、インターネットは回復した。
                                                                  上に戻る
鼠の進入口

   鼠が我が家で自然に発生する筈は無い。どこから進入したかを探した。我が家は鉄筋コンクリートの壁と柱や梁で完全に囲まれている。開口部である窓は総てサッシが嵌めこまれ、鼠が侵入する余地は全く無い。

   半分は地中に埋まっている厚さ30cm、高さ80cmの地中梁にはあちこちに丸い換気口が開けられているが、総て1cm以内の穴しかない格子が嵌めこまれている。床下は湿気防止を兼ねて全面に亘り鉄筋コンクリートを張り巡らせていた。屋根裏の換気口にも総て格子が嵌めこまれていた。エアコンの配管にも隙間は無く、台所のレンジフードにもフィルターがあり、子鼠一匹侵入する穴は無かった。

   しかし、一箇所だけ盲点があった。トイレだ!!

   ある朝、トイレのドアを開けた途端、鼠がトイレから室内へと走り去った。トイレの上部には自然換気用にパンタグラフ式の小窓が2枚あり、内一枚は常時半開き状態にしていたのだ。

   一旦室内に侵入した鼠は台所から外へ出る勝手口から床下へ移動できた。勝手口の上がり框には床下の換気用に細長いスリットがあったのだ。床下や壁の中にはセントラル冷暖房の配管が通り、配管の周りは隙間があった。配管に沿ってどの部屋の天井裏にも鼠は簡単に移動できた。
                                                                  上に戻る
鼠退治に失敗

   ドラッグストアに出かけ、鼠の駆除方法を調査。かの有名な『ゴキブリホイホイ』を真似た『ねずみホイホイ』があった。鼠も逃げられないほどの強力な粘着材が使われていた。容器の表面には詳しい注意が書かれていた。

@ 鼠は隅を通る習性がありますので、壁際、台所の流しの下、排水口のそば、冷蔵庫の裏などに設置すると効果的です。

A 鼠は非常に警戒心が強い知的な生き物です。6〜7日たっても捕れない場合は、ねずみホイホイの置き場所を変えてください。

B 鼠の足の裏が水や油で濡れていると、捕獲力が弱くなることがありますので、水や油で汚れた場所を避けるか、新聞紙などの上に置いてご使用ください。

C ソーセージ・カマボコ・天ぷら・カツオブシなど、鼠の好む餌をねずみホイホイの粘着トレーの中央に置くとさらに効果的です。

   ねずみホイホイを2セット買い、注意事項を守り、設置位置を変えながら努力したが、成果は全く上がらず、天井裏を走り回る音が絶えなかった。

                                                                  上に戻る
遂に鼠退治に成功

   再びドラッグストアに出かけて、各種の鼠駆除剤を検討し2種類購入した。

その1。ドラ

   容器の側面にはその特徴が書かれていた。ドラは鼠の貯食性に着目した駆除剤だそうだ。

@ 鼠の好む誘引剤を配合した、食べやすい大きさの駆除剤です。
A 袋ごと隠れ場所へ持ち帰って、警戒心無く食べますので、効果的に駆除できます。
B 袋ごとそのまま置けますので、設置したい場所に置くだけでOK。薬剤に直接触れる心配もありません。
C 鼠が3〜4日に亘って食べ続けると効果を発揮しますので、他の鼠に警戒心を起こさせず駆除できます。
D 人やペットには有害なので、誤って食べないように、使用・保存には充分注意すること。

その2。スーパー・ラットホン

@ スーパー・ラットホンは、即効タイプの殺鼠成分シリロシドと鼠の好む食品を配合して、食いをよくした赤色・粒状の強力殺鼠剤です。
A 薬剤の強い毒性により200gの鼠の場合、一匹1g、1回食べるだけで死にます。即効性のため、鼠が警戒心を起こさずによく食べるので、たくさん退治できます。
B 食べた鼠の多くは水のある所、明るい所で死ぬ傾向があります。
C 袋入りですから置くだけでよく、袋ごと巣に持ち帰って食べる習性に適しています。
D 人やペットには有害ですから使用、保存には充分に注意し、万一誤って食べた時は吐き出させ、医師にこの箱を見せ直ちに診療を受けてください。

   鼠の通り道と予想した数箇所に上記2種の駆除剤を配置した。翌朝確認したら、勝手口に置いた駆除剤が2袋とも行方不明になっていた。

   その後2週間くらい経過観察をしたが、駆除剤はなくならず、天井裏を走る鼠の足音もしなくなった。鼠は屋外に逃げ出すことは出来なかったので、恐らくは床下で死んでいると思うものの、死体を捜すのは面倒なのでそのままにした。
                                                                  上に戻る
おわりに

   たかが鼠一匹でも退治するのは一仕事だった。最後の手段として猫を飼うことも考えていた。しかし、猫を飼うと旅行がし難いだけではなく、革製品や家具を傷つける恐れもあり、気が進まなかった。

   およそ二ヶ月間の悪戦苦闘の結果、鼠との戦いには勝ったものの、何時また進入してくるか予想できないが、鼠間の情報伝達能力は低いと予想しているので、今回の方法で当面は駆逐できると楽観している。

   賢人各位の鼠対策は万全でしょうか?
                                                                  上に戻る