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随想
           
葬儀の準備(平成17年10月24日脱稿)
 
    去る8月1日の定期検診の結果、愛知県がんセンターの主治医から『がんは完治した。今後の経過観察は不要!』とのご託宣を受けたものの、半信半疑の我が心境は然して変わらなかった。過去3年間に9人の医師によるがんの診察を受け、4人が誤診したからでもある。A医師は胃がんを見落とし、B医師は食道がんを見落とし、CD医師は肺がんがあると誤診した!
   
   がん保険に入るよりも、自己負担でがん検査を受ける方により価値があると考えて検査の続行を提案し、来る12月15日には名古屋共立病院で第5回目のPET/CTの検査を受ける予約手続きをした。愛知県がんセンターは予算不足で未だにPETは導入されていないのだ!

     
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はじめに

   一方、3年前から『死ぬ準備』は中断することなく進めていた。身の回りの不用品の処分から始めた。

   『死ぬ準備』の最中に多重がんに罹り、とうとう死神を意識し始めた。遺族を困惑させないようにと、仏壇置き場の準備やお寺・葬儀場・墓地・墓石・仏壇の選定作業も始めた。序に我が戒名も考えた。
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仏壇置き場

   延べ12畳の我がパソコン置き場兼居間の改装序に仏壇置き場も準備すべく、8月下旬に『仕様書』をA4一枚に纏め、リフォーム7社から合い見積もりを取り寄せた。たった一間の改装でも65〜129万円までばらついた。築31年の家の改装なので実質本意で十分と判断し、65万円の会社へ9月20日に発注。

   松下電工製オーダメード(クローゼット等)の資材調達には3週間かかるので、その間を活かして9月21日〜28にはバルト三国とフィンランド旅行を満喫。

   帰国後の10月10日〜18日の間に工事は無事に完了。仏壇置き場は1畳分だ。大きな仏壇は邪魔なだけなので、このくらいで十分と判断した。
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お寺探し

   3人の子供は我が家から車で1時間圏内に永住する見込みなので、法事の便などを考えて我が家の近辺からお寺を見つけることにした。

   私は、仏教のみならず宗教界の伝統や習慣には全くの無知だが、関心もないので勉強をする意欲も湧かない。郷里の実家は『浄土宗』なので、豊田市内の浄土宗のお寺を探すと、僅か1.5Km地点に『霞渓山 洞泉寺(かけいざん とうせんじ)』があった。

   早速、電話で相談を申込んだら10月20日、午前10時からとの約束が取れた。
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洞泉寺

@ 我が希望

   40歳くらいの副住職が会ってくれた。住職は脳梗塞とのことで、長男の副住職が実質的な責任者のようだ。

   『私は多重がん患者なので、余命幾ばくも無いと覚悟している。妻子に迷惑は掛けたくないので、生きている間に何処かの檀家になり墓地を買い、墓石も準備したい。しかし、福岡県出身の私には当地のお寺の事情が分からない。

   最近、過疎地では廃業するお寺が多いので、潰れそうにないお寺の檀家になりたい。洞泉寺は先輩・知人・友人の葬儀で何度かお参りに来た事がある。境内も広いし本堂も大きいので当分の間は潰れないのではないか、と思って相談に来た。

   檀家になるためにはどんな条件があるのですか? 檀家になった後にどんな義務が発生するのですか? 墓地は売ってくれますか? 葬儀では本堂が使えますか? 住職が考えてくれる戒名は意味を理解するのが難しいので、自分で考えましたが使っていただけるでしょうか? 細々と生きている年金生活者ですから余り高価になるようならば、他のお寺を探します』

A 洞泉寺

   洞泉寺は浄土宗の総本山『智恩院』に直末し、13の末寺を持ち、700年の歴史がある。駐車場はあちこち合わせて500台。年間お参り客は4万人。檀家数は1300軒。我が推定では、境内の面積は優に1万坪はある。
   
   『寺子屋人生熟』を開き、多くの有名人の講演会も主宰するなど、ユニークな経営活動を積極的に推進している。
   
   ご関心があれば、下記のホームページをご参照されたい。
   
 http://www.tosenji.or.jp/t/t_gaiyo.html

   『檀家にしていただけますか?』
   『檀家にするかどうかは精査の結果、決めさせていただきます』
   
   『檀家になると、どんな義務が発生しますか?』
   『金銭的な義務は全くありません。本堂庫裡は浄土宗開宗八百年記念事業として昭和46年に鉄筋コンクリート造りで再建したので、近い将来大きな金銭的な支出は予定していません。
   
   古い木造のお寺の場合、改築で50〜100万円のご負担を各檀家にお願いしている所もあるが、その点は心配無用です』
   
   結構プライドも高いお寺に感じた。友人達に聞くと、豊田市では一番大きなお寺らしい。

   『統計では檀家総数の4%もの葬儀が毎年あるそうですが、概算50回もの葬儀とそれに続く法事がこなせるのですか?』
   
   『大丈夫です。洞泉寺にも数名の僧侶がいますし、足りない場合は末寺の協力も得られます』

B 墓地

   『墓地は買えますか?』
   『無縁墓が増えてきました。『何々家の墓』の場合、子供に恵まれなかったご家庭とか子供が女性ばかりでお嫁に行ってしまう場合など、『何々家』を引き継ぐご子息がいない檀家の墓は無縁墓になります。
   
   そのため墓地の区画整理を現在進めています。業者に工事を委託していますが、業者の採算も考慮せざるを得ず、墓石を業者から買っていただくことを条件に墓地も売っています。墓石の材質は選択できます。デザインも自由です。墓石への彫刻が増えると当然のことですが高くなります。

   現時点で売り出し中の墓地は2ヶ所あります。本堂の直ぐ横・駐車場の真正面にある要人用墓地と、駐車場から百メートルくらい離れた一般檀家用墓地です。全て2*2mの区画ですが、隣接する区画と一緒に2口同時に買うことも出来ます。

   要人用の価格は墓石込みで概算400〜500万円/口、一般用は230〜300万円します。豊田市の公共墓地は死者がいないと買えませんが200万円くらいします。競争率も最近では7〜8倍になっています』

   後日、豊田市役所の担当部署に電話で確認したら、下記の回答を得た。

   『墓地の募集内容は毎年8月1日と15日発行の{広報とよた}に載せ、9月に応募者に抽選して頂いています。一度に150口位売り出しています。不足した場合は口数を追加しています。人気が高い場所は2〜3倍の競争率になることがあるものの、場所を指定しなければ全員買えます。価格は51000円/平米です』
   
   副住職の情報とは一致しないが、隠していた『商魂』がふと口から滑り出たのだろうか? 私は積年の体験から、世の中に溢れる情報は発信者がマスコミであれ何であれ、情報発信者の視点(魂胆)と表裏一体の関係にあると考えており、真偽や意図を別の情報源も参照しながら評価する習慣だ。

   墓地の案内をしていただいた。20口はありそうな要人用地には3家族の墓石があった。元トヨタ自動車副会長磯村さん、元豊田工機社長(元トヨタ自動車取締役)湯野川さん。共に2口に跨る大きくて立派な墓だった。3個目は1口タイプの鈴木家、私の知らない方だった。

   他の場所(東面傾斜地で見晴らしが抜群)には元トヨタ自動車副社長佐々木さん(生存中)の『佐々木家の墓』もあった。こちらも2口タイプだった。佐々木さんが墓を買われた時には、要人用の墓地が整備されていなかったのではないかと推定した。

   何百とある墓の中で2口タイプは大変少なく、数パーセント未満だった。

   一角には奇妙な形状の墓石が30基以上もあった。聞けば、歴代住職の墓なのだそうだ。別の所には尼僧の墓石群もあった。
   
C 永代供養墓(納骨堂方式)

   独身者や子供のいない方、遠方へ移転された方など、墓地+墓石を希望しない方々のために永代供養も受け付けている。1人につき50万円。

   本堂の横に建てられた高さ3mの石板(永代供養誌)に、戒名と俗名及び命日を書いた黒板を取り付け、遺骨は納骨堂に安置。本堂には1人ずつ観音様(高さ35cm位だった)の背面に戒名と俗名を、台座の正面には住所と俗名を書き、本堂の壁面に安置。未だ2〜3000人分の収容力があるそうだ。

D 葬儀の場所

   『私は民間の葬儀用の典礼会館で菊の花に囲まれての葬儀よりも、本堂の仏像の前での葬儀を希望したいのですが、可能ですか? 私は郷里が遠いので福岡県からの参列者は少ないと思いますが、メール仲間が250名くらい(その内数として、日頃お付き合いしているゴルフやテニスの仲間が70人くらい)、3人の子供達が全員近くにいることを考慮すると、参列者の総数は200〜300人と予想しています』
   
   『私も本堂での葬儀が本来の姿と思います。本堂には冷暖房も完備しています。場所代+僧侶の人件費+棺桶代+霊柩車代などで、平均値としては250万円くらいになります。それ以外に香典返し(通常2〜3000円/人)など葬儀社への支払いが必要です。僧侶の人数も指定できます。葬儀の形式については弁護士を介した生前契約も出来ます。その際はご本人が亡くなられたら、洞泉寺に最初の電話を入れるのが条件です。

   お通夜の仮眠室、葬儀や法事での会食室も完備しています。最大200名まで対応できます』。観光ホテルの大広間のような和室他、遺族控え室など様々な部屋へもご案内していただいた。

E 戒名

   『戒名は{海外旅行**ヶ国満喫大居士}(現在は56ヶ国)と付けたいのですが・・・。旅行したい国を追加したら88ヶ国はありました。四国の霊場めぐりの数に合わせて、元気ならば実現可能な国数と予想していますが、途中で死ねばその時までの国の数です』
   
   『戒名に「大」を通常は付けません。お寺の本堂を寄進されたような方に対して、お寺側としては何のお返しも出来ないので、戒名に大の字を使う場合があるくらいです。戒名代はお布施なので定価はありません』

   後で確認したら、磯村さんも湯野川さんも戒名には『大』の字は使われていなかった。仏教2000年以上の歴史と実績に些細なことで抵抗するのはあっさりと止めて、
   
   『ひょっとすると持参の戒名は、断られるのではないかと予想してはいました。でも全くお付き合いのなかった私の場合、私だけではなく妻子や親類筋もなるほどと納得できる的確な戒名を考えていただくには若干の自己紹介が必要な筈と予想し、この自己紹介書を持参しました。
   
   これは偶々今年5月に46年ぶりに開かれた九大教養部時代のクラス会用に、幹事の指定した項目についてA4で6ページ以内の制約の元に、書かされたものです。(随想・同窓会に載せました)

F 仏壇

   『仏壇の購入には、何か条件があるのでしょうか?』
   『お仏壇は何処から買われても構いません。ご希望があれば本堂の仏具の修理を何時もお願いしている名古屋市内の仏具店をご紹介しています。その場合は一般のお客様よりも少しだけ勉強していただけます。

   葬儀は終われば何も残りませんが、お仏壇は何時までも使うものです。生前でも仏壇は、お孫さんたちが立ち寄られた時に先祖への親しみを感じてくれる、生きた教材にもなります』
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おわりに

   以上の話を10月22日にテニス仲間、23日にゴルフ仲間へ報告したら、驚いたことに元気な人たちですら約半数の人は既に墓地を購入済だった。仕方がない。精査の結果、檀家にしてくれるのならば、残り僅かな貯金をはたいて墓地と墓石を買う決意をした。

   葬儀の生前契約は、12月15日のがん検査の結果、再発などの疑いが持たれれば、即相談開始。異常なしとの診断が降りれば、気が余り進まないので当面は見送り。仏壇購入は自分の空仏壇を毎日眺めるのは気が滅入るような予感がするので、その気になるまで見送り。

   空っぽの仏壇置き場は寒々としているので、来春松下電器から発売されるフルハイビジョンのプラズマテレビ(現在売られているハイビジョンプラズマテレビの情報量はフルから50%程度間引かれている!)の置き場にでもしようかと迷いつつ・・・。

   賢人各位! 死ぬ準備は順調に進められていますか? つつがなく死ぬだけでも、意外にお金がかかりまするぞ!
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追記(平成18年8月4日)

[1]墓地

   我が入手可能な墓地の供給源として寺院・民間業者・豊田市の3種類があった。電話で概要を聞き、カタログを取り寄せたが実態を想像するのは難しかったので、現地現物で確認すべく見学に出かけた。

@ 豊田市の小瀬間墓園

   豊田市は19.29億円を掛けて、市内の丘陵部に39.8haの墓地『小瀬間墓園』を造成し、昭和49年10月29日から供用開始した。供用当初は生存者も墓地を買うことが出来た。我が友人たちで既に墓地を買っている人も多い。総販売口数の約2割はまだ墓石が設置されていない。生前に購入した人の多さに驚く。私は昭和49年には自宅建設中で墓地のことには関心もなかった。

   去る12月14日は雪でゴルフ場が閉鎖されたので、暇つぶしに小瀬間墓園を初めて見学。管理事務所で入手した資料によれば、一口の大きさは5,6,7.5,9,12平米の5種類だが、9や12平米のものは1割もなく、5,6平米が大多数である。

   平成4年の最新資料では全部で6187口(現在は8000口くらいとか)。純墓所面積は墓域面積の半分弱。通路もゆったりと確保されている。丘陵地に13ヶ所のひな壇が造成され、ひな壇の一つ一つは多角形をした平面である。墓所として造成されている部分は全墓園のほんの一部に過ぎず、拡張の余地は充分だ。

   ひな壇は直線の通路によって細長い区画に細分化され、その細長い区画が一口ずつの区画に細分割されている。従ってどの区画も通路によって挟まれ、残りの2辺は隣の区画と接している。新興住宅地の造成では通常東西に伸びる道路に挟まれた空間を分割するとき、南北の家は隣接するので敷地の3辺は隣家と接しているが、ここの墓は通路密度が2倍に設定されており、墓の手入れはその前後からできる。

   私は生まれて初めて、このような広大な新設墓地を見た。墓地を見た瞬間、墓地に抱いていた積年の認識が一新された。今までに出会った墓地は寺院か、あちこちの山の傾斜地にある小規模な昔からの墓地だけであった。大抵は管理も行き届かず、足を踏み入れるのも躊躇されるような状態だった。
   
   小瀬間墓園は緑深い山々に囲まれ、見晴らしはよく、日当たりもよく、区画整理が直線的なのですっきりとして大変美しく感じた。墓石も新しくピカピカに輝いている。隣接する区画の大きさが同じため、デザインや石質は異なっていても、墓石の大きさもほぼ揃い、一覧して大変美しく感じたのだ。
   
   住宅街と異なり電柱や電線もなく、けばけばしい広告や看板もなく、邪魔物が一切ないのも美しさの大きな要素だったと再認識させられた。墓地以上に美しい住宅街や繁華街を作るのは至難の業だ。
   
A 南山やすらぎ霊園(大野屋名古屋支店が販売中)

   豊田市内で民間業者が販売している一番規模の大きい墓地のようだ。こちらも豊田市の丘陵地帯に開設された。直ぐ近くには南山カントリークラブがある。総面積は小瀬間墓園より一桁小さいように感じたが、環境の美しさや墓地の造成状況は両者とも大変よく似ている。

   ひな壇は11ヶ所。総口数約4000の内、2500口は販売済み。バブルのころは毎年100口くらい売れたが、現在は一年に50口くらいとか。民間であるためか、選択肢は広い。大きさは1〜30平米。単価は80000〜250000/平米。

   墓地は永代使用権として販売しているので転売は出来ない。将来無縁墓地になったら墓石を撤去し更地にして再販売。無縁墓地になる予定でも永代管理料を50年分前納すれば、50年間は使用権も確保され、墓地の管理はしてくれる。

   墓参りに来たときに場所が探し易いとの理由で角地に人気があるのだそうだ。購入者は豊田市民だけではなく、多少遠くても景観美に人気があるとかで、名古屋・瀬戸・岡崎の人も多いらしい。

   墓石だけで1千万円以上もした豪華な墓や、骨壷を入れる扉に鍵が掛かった墓もあった。生前に自分の墓を作りたい人には有力候補地の一つに思えた。

   ここには新しい試みとして、花壇に囲まれた『グラスガーデン』も売り出されていた。花壇の管理は業者が担当。一般墓地は管理料が1000円/(年・平米)だが、グラスガーデンは?(聞き忘れた)。グラスガーデンは教会の墓地のイメージに似ていて、洋式墓石が多い。

B 寺院(洞泉寺)

   10月20日に初めて見学したときは大変立派な墓地に感じ、要人用墓地が500万円なら買おうかなと一瞬ではあったが決意した。しかし、上記の豊田市と大野屋の墓地を見た瞬間、気が変わった。価格の高さではなく、幽霊が出ても不思議とは思えないほどの墓地の薄汚さが理由の全部である。

   洞泉寺が1785年に現在地に移転して220年の間に、傾斜地で無秩序に拡大した墓地には、ブラウン運動の結果できた模様みたいに複雑怪奇に通路が広がっている。足元に注意しながら移動しないと、躓きかねない。苔むした古い墓石は傾き荒れ果てたままだ。
   
   墓地の清掃管理は檀家の義務とはいえ、あちこちの雑草と墓石との組み合わせには『夏草や つわものどもが夢の跡』を連想させる資格だけは充分だ。私は、墓地とはこんなものだと長い間思い込んでいたのだった。

   洞泉寺が名実共に豊田市一の寺院になるためには本堂の再建や各種宗教活動だけでは不十分だ。檀家にとっては本堂よりも墓地の方が身近な存在だ。かつて名古屋市が廃墟の中から画期的な都市計画を立案し、寺院の墓石を平和公園に移転終結させたことは天下に轟いた実績だ。

   洞泉寺の長期計画を立て、全墓地の再整理を完遂してこそ、中興の祖として現副住職も檀家の尊敬を今以上に集められるのではあるまいか!

[2] 葬儀代など

@ 民間業者

   豊田市でよく使われている葬儀場の最新情報を集めた。それぞれの葬儀場は今までも何度も通夜や葬儀で焼香に訪れたところだ。最新の民間葬儀場はホテルのように綺麗だし、広大な駐車場もあり利用し易い。葬儀件数(夫婦+未婚者)には時間差はあるものの、結婚件数の2倍以上は必ずあるし、少子化が一層進んできたので葬儀業は盛んになる一方だ。

   マスコミでは時折葬儀費用が不明朗だと報道されているためか、詳細な見積書を出すだけではなく、拙宅まで説明にきてくれた業者もあった。『3年前から多重がんで闘病中の私は余命幾ばくもない』と自己紹介していたからかもしれないが、全葬儀費用は通常高級乗用車一台分に匹敵するので、業者が熱心になるのも納得できる。

   既成の見積書は参列者100名が標準になっていた。人数が増えても増加する費用は香典返しだけなので修正は簡単だ。見積書からは僧侶に渡す戒名代やお布施は省かれている。お布施は枕経(死の直後に行われる法要)・通夜・告別式・初七日の合計で30〜50万円くらいが相場らしい。戒名代はいろいろランクがあるらしく、業者は教えてくれなかった。

   各業者とも契約している寺院があるらしく、喪主の希望に合わせての僧侶の手配は簡単だそうだ。
   
   浄土宗は出席する僧侶の人数が多く、真宗よりもお布施は高いらしい。次女の、義理の祖父の葬儀では僧侶7名が楽器を鳴らしながらお経を上げたのには驚いた。時給に換算すると10万円?

   葬儀と婚礼の両方とも手がける業者も多く、地味婚ばやりの婚礼部門よりも今や葬儀部門の売り上げは急上昇中とか。それだけに新規参入業者も多くなり、葬儀代も下落中。何故か130万円前後に集中していた。僧侶へのお布施を入れても高々200万円のようだ。

A 豊田市小瀬間聖苑

   敷地面積21464平米ある豊田市と周辺町村が運営している火葬場兼葬儀場だ。小瀬間墓園の直ぐ近くにある。25.3億円掛けて平成元年に完成した。

   葬式場は一室あり3時間以内1万円。火葬炉は13基。ここは場所を貸すだけなので会場の設営は葬儀業者に依頼することになる。出棺しても通路で繋がった隣の建物に火葬炉があるので霊柩車は不要だ。遺族や僧侶の控え室もあり何の不自由さも感じない。

B 仏壇

   産地直売と称した仏壇の安売りがあったので、のこのこと出かけた。

『どうして、こんなに安いのですか?』
『仏壇屋の小売価格は通常、卸値の4倍に設定されています。普通の商品とは価格体系が異なるのです。仏壇屋が時々、期末などの口実を付けて半額セールをしていますが、それでも仕入れ値の倍で売っているのですよ』

   文字通り、『蛇の道は蛇』(同類のすることは同類のものには良く解るの意)。仏壇屋で100万円するものが、何と20万円台になっているのには驚いた。

『黒檀と紫檀はどっちが良いのですか?』
『お客様の好み次第です』
『黒檀は柿の一種ですか?』。黒檀は柿の一種と知っていながら、質問をしてみた。
『???』
 
   所詮、出先の営業マンの知識とはこの程度。

C 墓石

   今や石は輸入時代。ショールームには墓石の見本がずらり。大小、デザインも様々。圧巻だったのは30*30*2cmくらいに切られた石板見本が数十点。選り取り見取り。

   従来、日本でよく使われていた白黒模様の御影石に混じり、カラーストーンがずらり。日本の墓石は地味すぎるので明るいカラーストーンに魅力を感じた。

D 蛇足

   その後のがん検診で異常が発見されなかっただけではなく、自己診断としても飲酒量やゴルフの飛距離が伸びるなど、体調が復活するにしたがって、死ぬ準備や、葬儀の準備への関心が急低下してしまった。


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読後感

遠賀の墓にもお金は入れて貰っているが・・・。寄付になるかな?

補足。

   郷里の福岡県遠賀町には石松一族専用の300坪の墓地がある。父は末子だったので分家独立。父をスタートとする『石松家の墓』を25年前に父の発案で作った。3*3mの底辺を持つ2階建ての納骨堂形式。私も60万円出した。墓石の総費用360万円。

   豊田市内に墓石を用意したとき、父の願いも叶えるべく、我が遺骨は分骨し両方の墓に収める予定。

@ 実兄


その1

   さすがトヨタ社員、半数が墓地を用意済みとは驚きです。皆さん故郷を離れてトヨタに就職し、結局トヨタ周辺が永住の地となったのでしょう。洞泉寺は知りませんでした。後で調べます。
   
   せっかく要人墓地があるならぜひそこに入ってください。2区画といわず4区画とか。戒名に大がつかないのも淋しいですね。私も『大』がつきますし。仏間のリフォームも65
万円といわず600万円はかけないと、逸材のあなたにはふさわしくないです。

その2

   洞泉寺しらべました。便利な場所ですね。それに豊田市一の規模(=格式)であればたいしたものです。東京の青山墓地と同格です。将来九州の親戚が墓参に来ても、「立派な寺の立派な墓」でうれしいでしょう。
   
   そうなると海外旅行居士は考え物ですね。変人居士になりかねません。やはりあなたの能力才能人物にふさわしい大戒名が必要です。俗名を1字いれた「○○院秀逸良○大居士」でしょう。

その3

   私は長男ですので両親と同じ墓になります。両親も先妻も「大居士」、「清大姉」がついていますので、私だけ1字短くするわけにも行きません。しかし、墓地を移転する計画もあり、その場合は市場価格での戒名となりますからどうなるか判りません(従来は妹の寺なので無料戒名)。
   
   宗派にも寄りますが、「○○院殿○○○○大居士」で11字が最長ですが、これは大名クラスですから一歩さがって「殿」を取り、10字となります。トヨタ元社員の場合も豊田家に対抗するような戒名は僭越ですから、やはり10字。
   
   それに4区画といいましたが、要人2区画がいいでしょう。やはりあなたは磯村氏、湯野川氏と同格以上であるべきです。人生わずか数十年。来世は無限です。棺を覆って人定まる。人は一代、名は末代。

   墓を売らないとは、檀家志願も不合格ということですか?
   
   『死ぬ準備、その2』はごく限られたメール仲間と副住職に送信した。数日後副住職から突然の電話。リフォーム工事で大工や左官と打ち合わせ中だったので、用件だけ聞いた。
   
   『あなたのメールを読んだある方から強硬な苦情がきた。個人のプライバシーをメールで公開するような奴は檀家にするなと言われました云々』。取り込み中だったし、ばかばかしかったので電話は打ち切り、下記の趣旨のメールを後で発信したが、その後は想定した通り無しのツブテ。
   
   『奇妙な苦情電話ですね。私は添付ファイルに貴台が直接私に説明されたことを書いただけですよ。それも事前にメールで貴台宛に発信し、このように理解しましたが私に誤解がありませんかとお断りした上で、内容を確認していただきました。その一部については貴台が発言内容を変更されたのでその通りに書き換えました。
   
   同年輩の友人たちにも興味深い内容と確信したので一部のメール仲間に発信しました。メールによる情報交換は私の生きがいの一つでもあります。添付した読後感をお読みになれば、友人たちの評価が貴台にも理解できると思います。メール仲間は異議や意見があれば、貴台にではなく私宛に読後感の一つとして書いてきますよ。
   
   私は、我がメール仲間には貴台に論拠不明な苦情電話をするような人は一人もいなかった筈と確信しています。私は物心ついたときから、付き合う価値があると感じた人のみを友人として選んできているからです。今回の件は貴台が架空の電話をでっち上げているだけだと推定しています。私は世間に恥じることをしたとは些かも思ってはいません』
   
   聖職者の仮面の下で金儲け一筋にまい進している副住職の本性が、図らずも露見したように感じられて、寂しくも情けない気持ちに襲われた。彼が周章狼狽したのは、今までは対面しながらそのつど、檀家の虚栄心をくすぐりつつ取引価格を高めに誘導していた墓地・墓石や葬儀の相場を、私がメールで公開したことにあったのだろうと推定している。
   
   公開されて困るような内容(いわば企業秘密)は、家族にだって言ってはならないのだ。ちなみに、ゴルフやテニス仲間に直接意見を聞いたら異口同音に『洞泉寺は何でも高いので有名だよ。知らなかったの? 俺はあそこの檀家になどなる気は全くないね!』

その4

   お粗末副住職ですね。宗教界は人材難。親戚の寺を見ているのでよく知っています。しかし、お寺は立派ですから墓地としては魅力です。
   
   後日あなたの長男御夫妻と友人総代が再交渉したらいいでしょう。要人地区2区画です。葬儀はトヨタ生協系列の典礼会館でもいいでしょう。

A トヨタ同期・工・1年で退職し学部入学・経。防衛庁キャリア退職後、国連職員。その後豊田学泉大学・東京工科大学・青森大学教授を歴任後、金沢経済大学教授


石松大聖人殿

   先日、テニスの時に聞いたお寺訪問のレポート。死ぬ準備2とは適題なり。待ちに待ったお便りでした。ご送信感謝。
   
   小生は田舎に墓はあるが遠方につき1年1〜2回の墓参りが精精。墓の引越しも考えたりするが、次の代がここに居る保証もない。そうすると墓は現状維持かな、と思っている。
   
   問題は葬式だね。お寺も遠方だから葬儀会館に一括たのんで済ませ、骨壷を郷里のお寺のお墓へ運んで納骨ということになるのかなあ。
   
   貴兄の問題提起で 国のお寺に相談してみようと思っています・・・。
   
B トヨタ同期・経・ゴルフ&テニス仲間。奥様は元東北大学学長西沢潤一氏の妹・故磯村氏(元トヨタ副会長)のゴルフ仲間

   
   土曜日の朝、女房が『お父さん、変な気持ちの悪いメールが入っているわよ』と突拍子もない声で私を呼び起こした。貴殿からのメールで印刷して見せると、フーンと頷くなり『お父さんにも、凄い友達がいるのね』と、何か言いたげであったが、黙ってしまった。
   
   長年連れ添っているので何を言いたかったのか、私にも読んで取れた。大雑把で無計画な私と比較しての一言に違いない。
   
   それにしても相変らずの、緻密で計画的な貴殿が健康を取り戻し、充実した毎日を堪能されているご様子で何よりです。何時死んでもおかしくない年頃になって、何の計画もしていない私にとって大変参考になりました。
   
   我が家は 禅宗臨済宗大徳寺派となっているので、そろそろ最寄のお寺探しから始めなくては、とかんがえています。
   
   熱燗のうまい季節となり今宵は酢牡蠣で一杯やる予定です。

C 高校同期・東海地区の東筑高校同窓会(東海東筑会)常任幹事・某社役員退任後に韓国語をマスター


   ますますお元気の様子何よりです。今回は死ぬ準備ということでのご報告、大変参考になりました。
   
   本来なら、残されたものが、墓や、仏壇を準備するものでしょうが、いまどきはそうは行かないようです。
   
   私も何を隠そう、墓地だけは、確保しました。これはお寺の中ではなく、山の中です。死んでまでがやがややかましいのは困るので、静かな山の中としました。たぶん、子孫は参りには来てくれないかも知れませんが。

   ま、それにしても、死ぬにも何やかやとたいそう忙しいことですね。

D 大学級友・工学博士・近畿大学教授


貴重な情報をありがとうございました。
大変参考になりました。とり急ぎお礼まで。

E トヨタ同期・工学博士


   「死ぬ準備、その2」を拝受、有難うございました。

   私の故郷は先祖を大事にする風土で、父親は毎朝、仏壇に向かってお経を上げていました。後ろに座ってぼんやり眺めていましたが、子供心に厳かな雰囲気を感じていました。
   
   自分の子や孫にもこの雰囲気を伝えたいと、40年程前、分譲住宅を購入した時すぐに仏壇を買いました。長男ではないので新規調達です。仏間などはないので、押入れの上の段を代用。従って、みかん箱を重ねたほどの小さいものです。他界した両親の写真を入れて、毎年お盆に浄土真宗のカセットテープに合わせてお経を上げています。

   墓は、岡崎に転居し永住を決めた時、市の永代貸与の墓地を求め、規定に従い入れるお骨がないのに墓を造りました。次男であるゆえ何れは無縁墓になるので、墓名を「南無阿弥陀仏」にする案もあったが、子孫が参りに来た時、誰の墓か判りやすいようにと結局「中川家の墓」としました。

   戒名に「大」の字をつけるのは極めて高額の寄進者以外は許されないとは驚きです。それじゃあ「小」の字をつけるから戒名代をただにしてくれ、と言いたいですね。自分の葬儀は身内だけでやってくれ、と言い残す積りです。

F トヨタ先輩・工・ゴルフ&テニス仲間


   何時も感心させられるレポートばかりで、お褒めする言葉が無くなり困っていますので、今の自分の考えのみを報告させていただきます。
   
   墓地は確保しているものの、跡取り(長男はロスで長年事業を展開中。大成功とか)は何処に住むか確かな事不明なので、永代供養墓が良いかな、と思っているところです。が、何時頃決断するべきか未だ決めていない状況です。決める前にボケてしまうのでは? と心配もしたりです。

G トヨタ先輩・工・ゴルフ仲間


   お墓の話、有り難うございました。
   
   我が家はまだ何も決めていません、でもいやでもその内に決めねば、と考えているところです。貴兄の情報も参考にさせて貰います。

H 高校&大学同期・経


   例年11月3〜5日は地元富士宮市の浅間大社の秋祭りです。沿道に露天が並び10万人以上の人が楽しみます。その歴史は古いようですが、だんだん勢いを失っているように思います。町並みの商店街もシャッター通りと化し、かつてのような賑わいは感じられません。
   
   不景気の波は未だ拭いきれず、午後7時を過ぎると商店街のネオンは光を落とし、人口13万ほどの町は人影もまばら。

   家内の実兄67歳(兄と妹の二人兄弟。拙宅から150メートル程のところで40年に歯科医院を開業、現在は兄の長男が継承)が3年前より肺がんを煩い、11/1 必死の看護もむなしく他界。67歳の短い生涯を終えました。

   最後まで入院を拒み続け、住み慣れた自宅で、本人の希望通りその幕を下ろしました。

   死のひと月前は競馬でいえばまさに第4コーナーを回ってのホームストリッチ。緊急設備を持ち込み、甥の内科医を筆頭に24時間の身内全員での看護体制を引いて奮闘しましたが、力尽きました。

   11/3通夜、11/4告別式を終え、取りあえず一段落。家内の兄は上杉家の長男でありますが、故あって養子の私が上杉家を継いでおります関係上、様々な儀式の進行、親戚筋の取りまとめ等は私が中心になり采配を振るわなければならず、ゆっくりパソコンに向かう時間もままならず、つい石松様への返信も遅くなった次第です。

   お寺やお墓、戒名の段取り等、石松様らしい生前の準備には驚嘆させられますが、”転ばぬ先の杖”なのでしょうか? その若さで何も今から、、、とも思えますが、死の淵から生還した人のみが感じ得る何かがあるのでしょうか?
 
   無事、完治のご託宣を受けられ、これから益々の悠々人生を謳歌されるよう祈念しております。

   死への恐怖へ追いつめられたことのない私など、まだまだ先のこととタカをくくって、持てる時間を無駄遣いせぬよう、健康管理に気をつけていこうと思います。

   昨夜の葬儀の弔辞で、現在中国で活躍している社長が、故人へのお別れに”さようなら”ではなく中国では”再見” ”再会”という言葉を使う、と述べておられたのが印象的でした。
   
   寒さに向かう折り、風など召されぬよう、ご自愛ください。
   

   義兄の方のご冥福を心からお祈り申し上げます。67歳とは正に私と同級生です!葬儀直後の御多忙の中での長文のメールを頂き恐縮しています。

   昨日(11/5)はテニス。テニスクラブでサウナにも入り、帰宅するや否やビールを飲みメールを開いて驚きました。しかし、疲労に加えて酔いが回り、ご返信を書く気力も遠のき、すっかり寝込んでしまい、返信が遅くなりました。

A。. 上杉家は優秀な一族ですね。義兄もその又ご子息も歯科医師。上杉様のご長男も歯科医師。甥の方は内科医! その他にもきっと別の分野で優秀な方がおられると思います。

B。全国の商店街が寂れつつありますが、世に言われるような駐車場不足が主原因とは私には思えません。戦後の復興期の物不足時代に急造された、今からみればみすぼらしい建物と昔ながらの問屋依存型家族経営のため、魅力ある商品のタイミングよい提供能力が欠けているからと思います。コンビニ・専門店・百貨店・スーパー・ドラッグストア・ホームセンター等が懸命に努力しているのに比べると、努力不足を感じます。

大型店の郊外立地をまたもや規制する動きがありますが、僅かな延命効果しか期待できないと思います。使命を終えた駅前商店街の思い切った再開発に対し、どのように取り組むか、誰にも名案はありませんね。私は更地にして公園にすべきだと思っていますが・・・

C。 中国の葬儀の言葉『再見、再会』は素晴らしい発想ですね。日本でも『何れ私も後を追います。天国で再会できる日まで暫くお待ちください』などと言ったりしていますが、流石に漢字の国、簡潔でよいですね。

D。 死ぬ準備

これは三つ子の魂の一種です。小学生の頃、夏休みの宿題がありましたが、私は何時も夏休み初めの数日で片付けた後、ノンビリ遊んでいました。気分が楽になるからです。

海外出張の報告書でも、帰国後は一緒に出かけた誰よりも早く提出するのが常でした。メールの返信も即時主義です。どうせしなければならないものを延ばすのが嫌なだけです。

死ぬ準備は仲人をしてくれた恩師を4年前に訪ねたとき、『先生、今何をされていますか?』『死ぬ準備だ!』とのきっかけから、取り組み始めました。余生を心安らかに生きるためだけではなく、生活環境も快適にしようとリフォームにも取り組み始めました。処分すべき身の回りの品も片付けがほぼ完了しました。

死ぬ準備に追い討ちを掛けたのが『がん』でした。最後に残った課題が墓でした。しかし、まだ若干躊躇しています。早すぎる私の行動に妻子が戸惑いを感じているからだけではありません。12/15に5回目のPET/CTを受けます。今までの4回は全部異常なしでした。

今回も異常がなければ、主治医による完治のご託宣も信じる気になります。がんの潜伏期間は20〜30年ですから、今後新発がんが出てくるのはかなり先、つまり天寿と変わらない頃と推定すると、80歳代まで生きるのではないかと思い始めて・・・

上杉様のご多幸を祈念申し上げながら、御礼申し上げます。

I インターネットの掲示板で知り合ったメール仲間・中堅企業オーナー社長・ご子息は歯科医師・ゴルフ仲間・株式投資の我が指南役

   
   お久し振りです。自己紹介文、貴兄ならではの文章でさすがだな、と感心しました。私にはこれほどの内容を書くことはできません。

   ところで、12月の同期会(12/10に新橋の三井アーバンホテルで開かれる、関東地区在住高校同期懇親会)にご出席とのこと、お会いできるのを楽しみにしています。 よろしく。

J 高校同期・JALの元ジャンボ機長


   死ぬ準備を拝見しました。私もお墓は65歳の誕生日に建立しました。
   
   そのいきさつは娘が『先祖の墓を作れ』と強力に言うものですから、娘と喧嘩しても得にならないと判断し、自宅から車で20分の所にしました。遠賀霊園(郷里の民間霊園)から両親の骨を分骨し、ちょっぴりの骨を入れています。
   
   人生きっかけが必要なので、素直に65歳の記念と思い決定しました。これで人生すべきことは全て終わった、と安心して来るべき日を待っています。

K 中学同期・工

   貴兄のホームページを再度読み返し、すこし、小生の意見を述べたくなりましたので、失礼を承知で以下、忌憚なくお話したいと思います。

   随想の中で”死ぬ準備”の項がありましたが、小生の意見は”死ぬ準備”ではなく、”元にかえる”という表現もあっていいとおもいます。何故かといいますと、全宇宙は粒子でできており、その数は永遠に増えもせず、減りもせず一定であると小生は信じております。

   これは、お釈迦様の般若心経からきておりますが、この知恵のお経を信じると全てが納得いきます。

   人間を初め万物は粒子からできており、一時的にその形を変え、人間になったり、動物になったり、植物等になったりしております。従って、人間も例えて言うならば、母なる大海のひとつの波で生じては消え、また消えては生じ、この繰り返しで生きております。

  その間、粒子は一定で、母なる大海で表面の波(人間、始め万物)を見守るように穏やかに、存続しております。その故、”死ぬ”ということはなく、元の一粒子に戻るだけの ことであり、また、”生まれる”にも通じます。

  この般若心経を信じると心が穏やかになり、謙虚になります。また”死”の恐怖もなくなり、”粒子の元”に戻ります、と言って小生の人生を終えたいと思っております。

  まだまだ小生は仏教について未熟ですが、仏教の教え(知恵)には共鳴しております。また、”悟り”を感じたら、報告したいと思います。

  取り敢えず感想まで。

L トヨタ後輩・商・ゴルフ仲間

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