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健康
           
増血食事療法(平成9年9月24日脱稿)

   血液が相対的に少ないのか、心臓の筋肉が弱いのか、血圧はやや低く(過去10年、60〜125mmHg前後)少年時代から極端な寒がり屋だった。

      戦後ではあったが、小学生時代の冬には防空頭巾を被って通学していた。今なお、握手時に私より手の温度が低い人に出会う確率は1%もない。とは言え、体温だけは36.5度と正常だった。
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はじめに

      中学3年(昭和28年)の冬、手がかじかんで字が書けず、受験勉強に支障を来した。その時『足温器』の存在を知った。2,500円もしたが、大変合理的な暖房器だった。足の裏を暖めるだけではない。血液の循環を通じて、さながらセントラル・ヒーティングのように全身を暖めてくれるのだ。成長するに連れて、寒がりの程度は酷くなってきた。

   高校時代以降、冬は寒くてとうとう寝付きも悪くなってきた。そこで『コードレス電気あんか』を買った。このあんかの原理は、高分子化合物の潜熱を利用するものだった。50度辺りに融点があり、内蔵している電熱器で密封してある物質を溶融させた後は、コードを外しどこへでも持ち運びが出来た。眠る時に足先が暖まれば安眠できたので、朝起きた時には冷めて凝固していても支障はなかった。湯たんぽよりも使い勝手が良かった。

   就職後入居した新築の第2豊和寮の寒いセントラル・ヒーティングには不満極まりなかった。窓際に設置されていた放熱器のカバーを外し、放熱用のフィンを剥き出しにし、扇風機で風を吹き付けた。この工夫の結果、室温は17度から19度に上昇した。しかし、我が快適温度である28〜30度には、ほど程遠かった。 
           
   結婚後は冷蔵庫のある生活に変わり、毎日酒を飲む習慣が生まれた。酒は寝付きを良くはしたが、その後も体質が変化したわけではないので、11月〜4月までは、電気毛布は必需品だった。10月〜5月まで電気こたつを使う、非活動的な生活から抜け出せたのは、我が家に移転した昭和49年12月7日からだった。

   数年前、ベッドの上に敷いていた木綿の布団を、羊毛の敷き布団と羽毛布団の組み合わせに取り替えたら、羽毛布団は軽すぎて頼りなくその上に木綿の布団を重しとして乗せた。その結果、電気毛布を何とか追放出来たが、セントラル・ヒーティングに毎年2,000リットルの灯油を使う生活からは、今なお抜け出せないままだ。

   寒がり屋の唯一の利点は夏に強い事にある。セントラル・クーリングの運転期間は大変短く、6月下旬〜9月中旬である。
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赤血球不足との信号点火

   2年前の定期検診でとうとう『赤血球不足』のアラームが点った。若い産業医の15分にも及ぶ解説(お説教)によれば『赤血球の不足は本質的ではない。ヘモグロビンの不足が問題だ。ビタミンMも不足している。錠剤で鉄分を補給すればヘモグロビン不足は簡単に解消する。しかし、ビタミンM不足も同時に解決するには、緑黄色野菜の大量摂取をお勧めしたい』

   ヘモグロビンの不足が問題ならば、テニスのプレイ中に酸欠症状の類いが現れるはずなのに、過去20年以上も何一つ、それらしき症状に遭遇していなかったので、医者の話は聞き流していた。

   肺活量(23歳で5900。40歳で4900。スポーツに没頭して10年、50歳の時には半分奪還して5400cc。以後測定せず。10年間のテニスとゴルフのプレイ代金は概算5百万円なので、我が肺1ccの奪還コストは1万円)の大きさがヘモグロビンの不足を補っているのだろうと解釈していた。
                     
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ヘモグロビンの増量に挑戦

   昨年秋、長女が結婚し、家庭菜園の余剰農産物の処理に困り始めた。この際、ヘモグロビンの増量だけではなく、無機塩類やビタミンをも補給すべく野菜を『生』で大量に食べる決心をした。

   緑黄色野菜は灰汁(あく)が強いか、堅いかの欠点があり、歯科医に掛かった事のない私でも、生のままでは食べる気が起きない。一方、温野菜料理は美味しくない。しかし、一部の野菜は浅漬けにすれば生食が可能だ。でも塩害が怖い。

   本年1月、豊田そごうの家庭用品売り場で『浅漬けセット』を買った。原理には2種類あった。『重し』に錘りを使うかバネを使うかの違いだった。バネタイプは材料が脱水されるに連れて加圧力が弱くなるし、操作性も悪い。直方体のプラスティック容器にぴったり納まる直方体の錘りと蓋が付いているタイプを買った。

   『ホウレン草』は茹でてお浸しに、『高菜・二十日大根・大根・白菜・カブ』を浅漬けの材料にした。二十日大根・大根・カブは葉が目的で根は付属品扱いだ。
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減塩浅漬けに成功

   水切りした野菜に少量の食塩を振り掛けただけでは、浅漬けは出来なかった。脱水に時間が掛かり、野菜が腐るのだ。しかし、食塩の総量が同じでも、みそ汁程度の薄い食塩水にして、野菜全体を最初から水没させれば一昼夜で浅漬けが完成することに気付いた。 

   脱水された野菜の体積は半分になり、多少は発酵も進み、歯触りの良い漬物がいとも簡単に出来上がった。完成後は水切りして、冷蔵庫で保管。爾来、毎週2回仕込み、朝晩合計してドンブリ一杯、サラダ感覚で食べ続けたことになる。        

   初夏の頃、NHKの『ためしてガッテン』で、血液を改質する食材の紹介番組があった。サラダにして食べられる野菜(サラダ菜・レタス・キュウリ・白菜・キャベツ・ナスビの類い)には食物繊維の摂取以外の目的には殆ど価値がないそうだ。無機塩類も少ないのだ。我が浅漬け用の食材選択は正しく理想的だったのだ。
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減塩梅干にも成功


   梅干しも食塩を少なくすれば腐る。食塩を半減し、梅がヒタヒタに漬かるくらいの『35%の焼酎=ホワイトリカー』に置き換えるのだ。食塩を減すと、皮が堅いまま、皺が殆ど発生しない見た目にも美しい梅干しが出来上がる。

   不要になった赤紫蘇は天日乾燥し、スイス製の50年にも及ぶ世界的なベストセラー機『バーミックス』で粉砕したら、いとも簡単に『振り掛け』が出来た。
               
   毎朝、大きな梅干しを1個食べた。御飯に振り掛けか、赤い梅酢を掛けると食欲も昂進される絶品に変わった。
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成果

   7月29日の定期検診でヘモグロビンが10%、赤血球は7%増加し、産業医のアラームは消え、今までの食事療法に自信を深め、家庭菜園にも一層励みが付いた
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おわりに

   昭和49年に家を建てて以来、猫の額20坪を耕して野菜を作り続けた。毎年秋には稲藁を5百把買い込んで堆肥を作った。元旦の朝は2時間掛けて堆肥の切り返しをし、朝風呂を浴びた後、雑煮を食べる生活も定着した。ゴルフクラブやテニスクラブも、大好きなデパートも、サービス業の本質を忘れたかのように閉鎖される結果、元旦は暇潰しにも困っていたのだ。

   我が庭で何がよく育つのか、延べ70種類以上の野菜を育てて確認した。その中には桜島大根・沖縄のニガウリ・つるなしカボチャ・中国野菜等もある。それらの中から家族に人気のある野菜、農薬の不要な野菜、育てやすい野菜などを選別した結果,今では年間20種類前後に落ち着いている。

   本年前半の試行努力で血液改質に成功した結果、家庭菜園の作業が一層楽しくなった。野菜の最適播種期は1週間くらいしかない。そのため毎年、数日間は年休を取ることになる。土日や休日はゴルフとテニスで忙しく、しかも各クラブで風呂に入って帰宅すると、農作業はスポーツ疲れもあって些か気が重くなるためでもあった。
   
   本年8月26日(火)は年休を取り、夏野菜の半分を撤去し、大根・ミニ大根・ミツバ・大カブ・高菜・白菜の種蒔きをした。この内、大根・ミニ大根・大カブ・白菜の間引き菜は既に浅漬けとして我が胃袋を満たした。

   9月18日(金)も年休を取った。夏野菜の残りを撤去し、ホウレン草・ミニ大根の追加播種、高菜の移植、成長途中の野菜の手入れに一日没頭した。葉菜類は播種後の除草・間引き・土寄せ・追肥・灌水をして初期成長を促進しないと総収穫量が著しく落ちる。朝夕、各10分だけだが、畑の見回りと手入れは怠れない。

   高菜は長期間にわたって収穫できる。12〜4月間は葉を掻き取って浅漬けに、5月の連休には60株全部を引っこ抜いて、容積80リットルの漬物樽に漬けた後、専用の冷凍庫に保管し、今年は8月までかかって、食べ尽くした。来年からは『高菜漬けを食べれば、ヘモグロビンが増える』と思えば楽しさも深まる一方だ。

   今の最大関心事は、この冬『冷え症がどの程度改善されているか』を確認できる点にある。

   何しろ上8枚(木綿の下着+カシミロンの下着+カシミヤのセーター2枚+下着用ウインドーブレーカー+スポーツシャツ+ウインドーブレーカー+羽毛のチョッキ)、下4枚(木綿のももひき+毛糸のももひき+下着用ウィンドーブレーカー+ゴルフズボン)もの衣服を着た真冬の着脹れゴルフでは、体も動かし難く、些か困り果てているのだ。

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